住宅・まちづくり・交通

2024年9月20日 (金)

弥富相生山線の折衷案は道路計画廃止を棚上げ

 9月19日の市議会本会議で私は、相生山の道路(弥富相生山線)の折衷案について質問しました。2010年から工事が中断している弥富相生山線をめぐって名古屋市は、未整備区間(約180m)をつなぐ折衷案の検討をすすめています。私は、「折衷案は、弥富相生山線の都市計画の存続を前提にした道路なのか、それとも道路計画を廃止した上での園路なのか」と質問。緑政土木局長は、「道路か園路か」の明言は避け、「都市計画審議会に諮ることのできる案を現時点では持ち合わせていない」と答弁しました。折衷案は、道路計画を廃止した上での園路ではないということです。

 折衷案の検討は、道路計画を存続させたままで進めることになります。これは、速やかに都市計画審議会に道路廃止を諮問するという河村市長の方針と矛盾します。私は、「市長は道路事業廃止という方針を棚上げするのか。折衷案は撤回したらどうか」と市長の姿勢をただしました。これにたいして河村市長は、「私は全然変わっていない」「折衷案の成案をつくることをまずやる。その上で、早く都計審にかけて道路を廃止せよと、私は言っている」と答弁しました。

 しかし、道路計画を存続させたまま、折衷案として道路をつなぐとどうなるか。相生学区で開かれた意見聴取会で、学区の委員から「『緊急車両だけ通す』といっていても、道路をつなげば、一般の車へとだんだん広がっていくんじゃないか」という声が出ていました。私は、「都市計画は残っているので、繋げてしまえば、一般車を通す方向にいってしまう」と指摘しました。

 河村市長は、道路事業廃止を表明して以降、一度も地元に足を運んでいません。重大な決断をしながら、自らの言葉で住民の理解と合意を得ようとしない。方針をぶち上げて、あとは役所任せ。「これでは行政の長としての責任が問われる」と指摘し、折衷案を撤回し、速やかに弥富相生山線の都市計画を廃止することを求めました。 

2024年8月 6日 (火)

相生山の道路―河村市長、「廃止」棚上げか

 相生山の道路をめぐって名古屋市は、3つの折衷案を立案し、8月末から9月にかけて地元の学区や市民団体などから意見を聴取します。

 8月6日、環境団体が河村市長などと話し合う「健康と環境を守れ!愛知の住民いっせい行動」で、「相生山の自然を守る会」と「相生山緑地を考える市民の会」は、「道路としてつなぐ折衷案は緑地破壊に繋がる」として、折衷案の撤回を求めました。両「会」からの「折衷案は(都市計画)道路か(公園内の)園路か」という質問に、河村市長は「緊急車両だけ通す園路」と回答。「それなら道路計画は廃止したら」と「会」側がたたみかけると、河村市長は「(道路建設に)賛成の人もいるのでしょうがない」と答え、道路廃止を明言しませんでした。折衷案は、道路計画の廃止を棚上げするものではないでしょうか。

 日本共産党市議団は、都市計画道路・弥富相生山線は廃止すべきという立場です。折衷案が、弥富相生山線の都市計画の存続を前提にしたものであれば、賛同することはできません。道路計画を存続させたままでの折衷案では、道路事業廃止という市長の方針にも反します。緊急車両の通行という視点から道路開通を望む意見もありますが、それは園路でも対応は可能です。

2023年11月14日 (火)

市営住宅の駐車場料金の値上げ撤回を――共産党市議団が市に要請

 名古屋市住宅都市局は、市営住宅の駐車場料金について来年4月からの見直しを公表しました。契約駐車場台数の44.6%にあたる1万5734台が値上げとなります。来年1月に駐車場契約者へ通知されます。日本共産党市議団は11月14日、市住宅都市局にたいして物価高騰のもとでの駐車場料金の値上げを撤回するよう要請しました。

 市営住宅の駐車場料金は、2011年に河村市長が実施した「事業仕分け」で「見直し」と判定され、2014年以降、5年ごとに見直されてきました。今回の値上げ幅は最小月額500円から最大5000円。市営住宅の入居者は、月額所得が10万4千円以下の世帯が77%を占めており、駐車場料金の値上げは、物価高騰に苦しんでいる低所得世帯の暮らしをさらに圧迫するものです。党市議団の要請に同席された市営森の里荘(緑区)の小池田忠自治会長は、「私たちの住宅の駐車場料金は、すでに民間と大差のない料金になっている。障害者だけが対象とされている駐車場料金の減免について、家賃減免と同様に対象を広げてほしい」と訴えていました。

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2023年8月 5日 (土)

相生山の道路「繋いではいかん」と河村市長――「健康と環境を守れ!いっせい行動」で

 8月4日、「健康と環境を守れ!愛知の住民いっせい行動」と名古屋市との話し合いが行われ、16団体の代表が河村たかし市長などに要望し、懇談しました。私たち共産党市議団も同席しました。

 相生山の道路(弥冨相生山線)については、「相生山の自然を守る会」と「相生山緑地を考える市民の会」が道路廃止を要望。市当局が検討している「折衷案」に関して河村市長は、「ワシは(中断している道路を)繋いではいかんと言っている」と答える一方で、「園路は造ってもええ」と述べました。「折衷案は園路を考えているのか」という住民の質問に、市の担当課長は「園路という位置付けになるのかも含めて検討している」と言葉を濁し、「折衷案を呈示しながら市民と話し合っていく」と答えました。

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2023年7月14日 (金)

どうする「相生山の道路」――今秋、市が「折衷案」公表

 2004年に着工し、2010年から工事が中断している「相生山の道路」=弥冨相生山線。河村市長が2014年12月に道路事業廃止を表明したにもかかわらず、速やかに都市計画変更を行わなかったために、「道路廃止」と「早期開通」で地元住民の意見の対立が再燃しました。2021年3月、市は有識者による学術検証懇談会を開催。有識者から「道路をフルスペックではないけれども造れば、必要な効果を得ることができる。相生山緑地のような場所をきちんと名古屋にも残しておくという価値観と折衷できる案を」などの意見が出され、市は昨年度から「折衷案」の検討を進めています。

 日本共産党市議団は7月12日、「相生山の道路」について市緑政土木局からレクチャーを受けました。「折衷案」について道路建設課長は「今年秋に公表し、地元や市民に説明する予定。3つの案を検討している」と説明。「『園路』もダメという人たち、計画通りに道路開通を求める人たちの両者が納得のいく案にはならないだろう」といいます。道路の廃止と開通を「折衷」させるというのは、至難の業です。どのような「折衷案」が示されるかわかりませんが、私は、道路建設を再開するものであってはならず、ヒメボタルが生息し続けることができるなど自然環境を保全するものでなければならないと考えます。

 日本共産党市議団は市当局からレクチャーを受けた後、工事が中断している弥冨相生山線の現場を視察しました。自然の再生力はすごく、シェルターの上にも草木が茂っていました。橋桁の架かっていない橋脚も草木の中に埋もれていました。
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2022年10月12日 (水)

中部国際空港第2滑走路整備で市当局「需要見通しは立っていない」

 昨年12月、名古屋市も参画して「中部国際空港の将来構想」が取りまとめられ、「2027年度を目途」に現在の誘導路を第2滑走路として整備する構想が打ち出されました。「2027年度を目途」に急ぐ理由の一つとして、「将来構想」では、空港の発着回数が2020年代後半には滑走路1本の限界とされる13万回を超過するという需要見通しが示されています。

 ところが、2021年度の発着回数は5万1千回であり、コロナ禍による激減からの回復が遅れています。私は、市議会総務環境委員会の決算審査で、「27年度までに第2滑走路整備を急がなければならない需要見通しは立っているのか」と質問。市総務局は「27年度までの需要見通しは立っていない」と答弁しました。今年度、空港会社が実施している滑走路増設に係る環境アセスメントでは、将来の需要見通しを掲げていません。このように「将来構想」で示された需要見通しが根拠を失っているにもかかわらず、第2滑走路の整備に向けた検討を急いだことは問題です。

2022年7月23日 (土)

天白渓の道路計画廃止と公園計画見直し――都市計画審議会で採択

 7月22日に開かれた名古屋市都市計画審議会では、天白区の天白渓地区(大坪学区)にかかわる二つの計画変更――都市計画道路「八事天白渓線」の廃止、東山公園計画の見直し――が案件になりました。この二つの計画変更は、地元住民が町内会ぐるみで要望し、私も議会質問で求めてきたものです。計画変更は全員一致で採択されました。

 私が天白渓地区の道路と公園計画の問題で、住民のみなさんと初めて懇談したのは、2009年6月に大坪学区で開いた「集い」でした。そこに参加した人たちが、住民運動組織を立ち上げ、やがて天白渓地区の3つの町内会ぐるみの運動に発展しました。私は、2012年11月議会と2016年9月議会の2度にわたって、八事天白渓線の廃止を求めて質問しました。住民運動を進めてき栗山知久さんは、『焔の群像Ⅱ』という愛知の住民運動団体の冊子の中で、2016年9月議会での私の本会議質問が、計画廃止に向けた「大きな力になった」と紹介してくれています。

 東山公園計画で立ち退き対象となった住民から、「樹林地を残しながら住み続けたい」という声が上がり、天白渓地区の3町内会が、市との交渉などを行ってきました。私は、2016年9月議会の本会議質問(写真)や都市消防委員会で公園計画の見直しを要求。宅地化が進んでいる区域は公園計画から削除されることになりました。しかし、今回の見直しでは、削除区域から外れる住宅が十数軒あります。私は都市計画審議会で、「公園整備の事業着手は相当先で、それまでには再度の見直しがありうる。その機会に今回外れた区域も削除を検討するべきだ。地域住民が分断されることなく、住み続けられるようにしてほしい」と求めました。

2022年3月22日 (火)

中部国際空港の2本目滑走路整備は急ぐ必要ない

 中部国際空港の2本目滑走路整備に向けて、中部国際空港株式会社への無利子貸付金が、名古屋市の予算に初めて計上されました。私は、市議会総務環境委員会でその問題点を質すとともに、本日の本会議での予算案にたいする反対討論の中で、以下のように反対理由に上げました。

 「中部国際空港将来構想検討会議」は昨年12月、第1段階として現在の誘導路を2027年度までに第二滑走路として整備し、第2段階として空港西側沖の埋め立て完了後に新たに滑走路を整備するという「将来構想」を発表しました。この2段階整備が構想されたのは、「空港沖の埋め立て完了を待っていたら15年先で、遅すぎる」というものですが、そんなに急ぐ必要はまったくありません。現在の滑走路の発着可能回数は13万回ですが、昨年度の実績は4万1千回余、今年度も1月までで4万2千回余と落ち込んでいます。

 しかも、コロナ禍による需要激減を踏まえた中部国際空港に特化した需要予測調査はなく、2027年度までに2本目滑走路が必要という根拠のある需要予測が示されていません。空港沖の埋め立てが始まりましたが、これは名古屋港の浚渫土砂を処分するためであり、埋め立て後の利用目的は、大規模地震で発生する「津波漂流物を一時保管する臨海緑地」の確保です。2本目滑走路整備のためではありません。

 「大規模改修のため」という理由が前面に持ち出されていますが、2本目を整備するかどうかの判断基準は、あくまでも需要のはずです。需要がないのに造ろうとするから、別の理由を持ち出さなければならなくなっているのです。

2022年2月 4日 (金)

受験シーズンにおける地下鉄内での痴漢対策を――名古屋市交通局に申し入れ

 日本共産党名古屋市議団と党愛知県委員会は2月4日、名古屋市交通局に対し、受験シーズンにおける痴漢加害の防止と被害者の救済を求めて申し入れを行いました。党県委員会の、すやま初美ジェンダー平等委員会責任者らが、勝野康成市交通局電車部長に要請し、懇談しました。

 最近はインターネットやSNSで受験生をねらった痴漢行為をあおる投稿もされています。名古屋市には全国からも受験のために多くの学生が訪れることから、名古屋市が痴漢加害を防止するアクションを起こすことは、たいへん重要です。申し入れでは、受験シーズンに痴漢加害を起こさせないために、駅員の増員、電車内の巡回警備、警察官による巡回、音声によるアナウンスや電車内の動画、電光掲示板での痴漢の加害防止の呼びかけなどを行う◆痴漢被害が発生した場合には、遅刻せざるをえない状況に至った証明書などを発行する◆痴漢被害を含めて本人の責めによらない事由で遅れた場合は、救済措置の対象となるよう中学校、高等学校、大学、専門学校など関係機関に働きかける◆市営地下鉄の痴漢・盗撮被害の実態調査を行うことを求めました。

 勝野電車部長は、「鉄道警察隊からの要請を受けて、1月15・16日の大学入試共通テスト期間中に、駅構内や電車内でのスポット放送や旅客案内表示で痴漢防止の注意喚起を行った。2月1日から3月13日まで同様の注意喚起を行う」と応じました。市営地下鉄内で起きた痴漢や盗聴被害の件数は、交通局に通告があったものだけで、今年度(昨年12月末まで)は20件だったそうです。これは氷山の一角にすぎないでしょう。痴漢はもっとも身近な性暴力であり、性犯罪です。痴漢ゼロに向けた取り組みの強化が求められています。

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2022年1月18日 (火)

相生山の道路――「折衷案」を検討するというが…

 来年度の市予算案には、相生山の道路=弥富相生山線に関して、「折衷案の検討」などの予算が計上される予定です。折衷案とは、どの案とどの案の折衷なのか。考えらえる一つは、議会が採択した請願(共産党は反対)に掲げられた「弥富相生山線の完成に必要な予算措置を速やかに講じ、早期に開通させる」という案と、「弥富相生山線の道路事業は廃止する」という市長の案との折衷です。しかし、「開通」と「廃止」の折衷など不可能です。

 あるいは、道路事業は廃止するけれども、緊急車両が通れるようにするための「園路」についての具体的な案が折衷案という考えもあると思います。

 日本共産党名古屋市議団は17日、河村たかし市長に対し、2022年度予算編成にあたって重点要望書を提出し、懇談しました。その際に私は、河村市長に「折衷案とは何か。道路事業の廃止という市長の意向は、折衷案を検討する前提にするのか」と尋ねました。河村市長は、「現状で本当に困っている人はいないのではないか。園路は道路ではないから反対しない。園路の作り方はいろいろなアイデアが出てくる」と述べるにとどまりました。

 共産党市議団は予算要望の中で、「弥富相生山線の計画廃止に向けた検討を進める」ことを求めました。

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