経済・市民・文化

2024年2月19日 (月)

河村市長「不適切」と認める――名古屋城「差別発言」問題での「熱いトーク」発言

 昨年6月に名古屋市が開いた名古屋城天守閣の木造復元をめぐるバリアフリー市民討論会で、障害者にたいする差別発言があった問題の検証を進めている検証委員会が「中間報告」を公表しました。市議会総務環境委員会は2月16日、「中間報告」について河村市長の出席を求めて議論しました。

 河村市長は、市民討論会の閉会あいさつで、「熱いトークもあってよかった」と発言しました。総務環境委員会では、私の質問にたいして河村市長は、この発言は「不適切だった」と認めました。私は、市民討論会直後の昨年6月議会の本会議質問でも、この発言は「障害者への差別発言を無視し、容認したことになるのではないか」と質問。河村市長は、「わざわざ出てきていただいたことに感謝の意を話したことで、差別発言を容認するものでは全くない」と言い訳していました。

 総務環境委員会でも河村市長は、他の委員の質問にたいして同様の答弁をくり返しましたので、私は「検証委員会では、『市長が「熱いトークもあってよかった」と発言したことは、差別発言を問題ないものと捉えていると考えられても仕方のないこと』として検証が行われた。それなのに、市長の認識が前進していないのは残念だ」と指摘。検証委員会が「中間報告」で指摘している次の「評価」を示しました。

 「市長の閉会あいさつを聞いている市民としては、市長が、差別発言を不適切と指摘していないことから、すべての発言を『よかった』と指していると認識した可能性もあるだけでなく、むしろ『熱い』という表現からは、過激で強い口調だった差別を含んだ発言を評価したとさえ捉えられかねない」(「中間報告」)

 こうした指摘を突きつけると河村市長は、ようやく不適切な発言だったことを認めたのです。他の委員からも市長にたいして、「記者会見で不適切だったと表明せよ」「不適切と認めるなら発言の撤回を」などの発言がありましたが、発言の撤回は拒否しました。

 河村市長と議論して感じたことは、市長は検証委員会の「中間報告」を真摯に受け止めていないのではないかということです。「中間報告」では、「市長の立場として、市民の自由な発言を尊重することそのものは理解できるが、公職者として、差別には、より厳しい姿勢で対応に取り組んでいただきたい」という注文が付いています。私は、河村市長にたいして真摯な反省を求めました。

2023年10月10日 (火)

トイレの男女格差――日本ガイシホール(総合体育館)の場合

 鉄道駅や公共施設などのトイレでは、女性が男性よりも長く並んで待たなければならないという男女格差があります。私は、市議会総務環境委員会の決算審査で、名古屋市総合体育館の日本ガイシホールのケースを取り上げました。

 日本ガイシホール(第2、第3競技場なども含めて)には男女それぞれ15か所のトイレがあります。便器の数は、男性は小便器と大便器(個室)を合わせて134。女性は個室が97。便器の数では男性用は女性用の1.38倍です。ところが、用を足すには女性の方が時間がかかります。中日本高速道路の調査(2014年)によると、女性の個室利用時間は、男性の小便器利用時間の2.5倍かかっています。

 山口県の萩市では、「公共施設のトイレにかかる整備方針」の中で、「男性小便器数と女性便器数の比は概ね1:2を目安とする」という取り組みが行われています。政府も「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」で、避難所については、「女性用トイレの数は、男性用トイレの数に比べ、多くする」と示しています。

 日本ガイシホールでは昨年度、トイレの改修工事が実施されました。私は「トイレ改修の際にトイレの男女格差について考えなかったのか」と質問。市スポーツ市民局は「日本ガイシホールのトイレは、男性トイレを女性トイレに変更できる仕様になっているので、イベントの際には女性トイレの数を増やしている」と答弁しました。私は、「工夫はされているが、そうせざるをえないトイレの男女格差という現実がある。ジェンダー平等の視点の一つとして、公共施設や地下鉄駅におけるトイレの男女格差の解消という問題意識をもってほしい」と指摘しておきました。

2023年6月30日 (金)

名古屋城市民討論会での差別発言問題――有識者交えたチームで検証

 6月29日の市議会総務環境委員会で、名古屋城天守閣の木造復元のバリアフリーをめぐる市民討論会での差別発言問題について調査しました。この中で名古屋市は、外部の有識者を選定して検証チームを発足させることを表明。河村市長や松雄副市長へのヒヤリングも検討することを明らかにしました。検証作業を進める上で、これは当然の方向です。

 同委員会では、天守閣復元を担当する観光文化交流局の管理職職員からのヒヤリング結果が報告されました。私は職員の意見を読んで、今回の市民討論会は、木造天守のバリアフリーに関する市長の思いと当局の思いが食い違う中で開かれたことがよくわかりました。河村市長の思いについて担当職員からは、「市長は、最上階を目指すようなものではない、選定した技術は認めないということを主張」、「夏ごろからこのような提案があるということは市長にも説明していた。その時は特段の反応もなかったので、12月に最優秀提案の話をしたときに急に異を唱えられて戸惑いがあった」などの意見が出されています。バリアフリーに関する市民討論会であるにもかかわらず、障害者への配慮という人権の視点が欠けていた背景には、市長に「昇降設備は1階まで」と表明させるお膳立てを整えるという政治的思惑があったと言わざるをえません。

 職員からのヒヤリングでは、 「多くの人がつけるなと言っているから1階までと決断したというのは、令和の時代では多分通用しないと思う」という意見があります。「選定した昇降技術は認めない」という河村市長、「1階まで」で妥協を図ろうとした松雄副市長。「令和の時代では通用しない」ことを担当職員に求めてきたこの二人の言動の中に差別発言を生じさせた遠因があったのではないか。真摯に省みてもらわなければならないと思います。

 「今となっては、基本的には、市民討論会の組み立て自体が不適切であったし、段取り自体も不十分であったと思う。その根本的な原因は我々の障害者なり、バリアフリーに対する考え方が、市長も含めて適切ではなかったと思っている」――職員からの意見です。外部有識者を交えた検証チームで、市長や副市長からも聞き取りを行い、差別発言を生じさせた原因を究明することが求められています。

2023年6月23日 (金)

問われる「人権よりも天守『本物復元』優先」――市民討論会での差別発言問題

 6月3日に開かれた市民討論会では、木造天守へのエレベーター設置を求める車いす利用の参加者に対し、一部の参加者から差別発言があり、その発言を主催した市側は制止しませんでした。河村市長は市議会開会日の所信表明で、改めて謝罪するとともに、市民討論会での市側の対応について検証を行い、再発防止に向けて取り組んでいくと表明。私は、本日の市議会で、差別発言に対する市長の認識をただしました。

 河村市長は6月5日の記者会見で、車いす利用の参加者にたいする身体的ハンディキャップへの差別表現(市長は「聞こえなかった」と言っていますが)については差別と認めましたが、それ以外の「ずうずうしい」「我慢しろよ」など一連の発言については、「表現の自由」を盾に差別に当たるかどうかの判断を避けました。その後の市議会常任委員会の議論などで、健康福祉局は障害者差別に当たると断定しています。「現時点ではどのように考えているのか」という私の質問に市長は、「障害者基本法や障害者差別解消法の理念に反するものであり、障害者差別である」と認めました。当然のこととはいえ、この点では市長と市当局の認識が一致しました。

 河村市長は市民討論会の閉会あいさつで、「熱いトークもありまして、なかなかよかったですね」と述べました。私は「『なかなかよかった』という発言は名古屋市として障害者への差別発言を無視し、容認したことになるのではないか」と質問。市長は「差別発言を容認するものではない」と釈明。そこで、私は「それなら市民討論会をどのように評価しているのか」と質問しました。市長は「差別発言が出たのは大変残念だ。『表現の自由』はあるが、事前に注意喚起すべきだった。しっかり検証し再発防止に取り組む」と述べましたが、討論会の評価については明言を避けました。

 さらに私は、「障害者への配慮よりも『本物復元』を優先する市長の態度が、差別発言の一因となったのではないか」と質問。 しかし、河村市長は「木造復元を行うという考え方と(希望者)全員が(天守閣最上階に)昇れるようにするという考え方は両立しない」などと自説を展開。私は、「差別発言問題をしっかり検証するとともに、市長は自らの市政運営を謙虚に省みてほしい」と求めました。

 

2023年6月14日 (水)

差別発言を制止しなかった河村市長の人権意識

 6月3日に開催された「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」で、天守閣木造復元計画へのエレベーター設置を求める意見を述べた身体障害者に対し、他の参加者から差別発言がありましたが、主催した市側は発言を制止しませんでした。こうした対応について、本日開かれた市議会総務環境委員会でも「人権の尊重」という観点から議論しました。

 「名古屋市基本構想」(1977年策定)では、まちづくりの基本理念として、「憲法の精神にもとづき、ひとりひとりの基本的人権がまもられ」た名古屋の建設をめざすとされ、「人間性の尊重」が掲げられています。市が主催する集会で差別発言を制止しなかったという今回の事態は、人権の尊重という名古屋市のまちづくりの基本理念に反するきわめて重大で深刻な問題です。

 河村市長は6月5日の記者会見で、差別表現を制止できなかったことについては謝罪しました。しかし、差別表現は「聞こえなかった」と弁明しています。その場にいた市職員やマスメディアの記者には聞こえていたのですから、差別表現という重大な発言を「聞き洩らした」ところに、河村市長の人権意識の欠如が現れているのではないでしょうか。討論会では参加者から障害のある人にたいしてエレベーター設置を「我慢しろ」という発言もありました。これは障害者基本条約や障害者差別解消法で定めている障害のある人への「合理的配慮」に欠ける発言です。しかし、河村市長はこの発言は「覚えている」と記者会見で述べましたが、「表現の自由」を盾に差別的な発言とは認めていません。

 市民討論会での閉会あいさつで河村市長は、「熱い討論となりまして、なかなかよかったですね」と述べています。「我慢しろよ」という発言が「不適切」という認識もその場ではなかったのではないか。ここにも河村市長の人権意識の欠如が現れていると思います。市民討論会での河村市長の閉会あいさつは、主催者である名古屋市の市長としてのあいさつですから、名古屋市として障害者への差別的な発言を無視し、容認したことになります。市長はこの発言を撤回し、自らの認識不足を謝罪すべきです。

2023年5月12日 (金)

自衛隊への名簿提供 「除外申出」の個別周知は最低限

 「広報なごや」5月号に「自衛官募集対象者情報の自衛隊への提供」という「お知らせ」が掲載されています。これを読んだ方から、「個人情報をそんなにも軽く扱っていいものなのか」というご意見をいただきました。

 防衛省が自治体にたいして自衛官募集のための「適齢者」名簿の提供を求める圧力を強める中、名古屋市は、2020年度から18歳の方の氏名・住所・性別を記載した宛名シールを自衛隊に提供しています。名古屋市の個人情報保護条例では、個人情報を目的以外に利用したり、提供したりしてはならないと定めています。自衛隊への名簿の提供は、個人情報保護の観点から問題です。

 私は以前、市議会総務環境委員会でこの問題を追及し、「自衛隊に情報提供をしてほしくないという方への配慮として、除外申請を設けるべきだ」と求めました。これに応えて名古屋市は、「除外申出」を設け、当初は市のHPでの周知だけでしたが、今年度からは先の「お知らせ」のように「広報なごや」にも掲載するようになりました。しかし、「除外申出」は2021年度4件、22年度1件にとどまっています。私に意見を寄せてくれた方は、「除外申出を知らない人は『希望しない』と申し出ることができない。該当者全員への個別連絡は最低限のことだ」と言います。その通りだと思います。

2022年10月11日 (火)

防犯灯のLED化助成 促進策を提案

 町内会・自治会などが設置・管理している防犯灯を蛍光灯からLED灯に交換したり、LED灯を新設したりする場合に、名古屋市が経費の一部を助成する制度があります。しかし、昨年度は予算で見込んだ件数の4割弱しか申請がありませんでした。私は、市議会総務環境委員会の決算審査で、LED化促進のための提案を行いました。

 防犯灯LED化の目的は、市の地球温暖化対策の実行計画では、「防犯力の向上とともに、省エネルギーやCO2排出量削減を図るため」とされています。ところが、LED化助成のPRリーフには、地球温暖化対策やCO2削減という言葉が一言もありません。私はこのことを指摘し、「地球温暖化対策のためということをPRすることによって、LED化の動機づけになる」と質問。市当局は「温暖化対策へのメリットなど環境面の効果も市民に伝わるようにしたい」と答弁しました。

 学区連絡協議会に対する市の補助金(安心・安全で快適なまちづくり活動補助金)でも防犯灯を設置できますが、蛍光灯の防犯灯しか設置できません。私は、「ある町内会が、防犯灯の器具が壊れ、LED灯に交換しようとしたが、助成申請の締め切りが過ぎていたので、学区連協に相談したが、蛍光灯でないとダメとのことだったので、町内会で全額負担してLED灯に交換した」という事例を紹介。学区への補助金でもLED灯設置が可能となるよう改善を求めました。私の質問に関連した自民党市議への答弁で、市当局は「補助対象の見直しを検討する」と答弁しました。

2022年4月 4日 (月)

自衛官募集の「宛名シール」提供で除外申出ができます

 名古屋市は、防衛省・自衛隊からの依頼にもとづいて、2020年度から18歳の方の氏名・住所・性別を記載した宛名シールを自衛隊に提供しています。私は、昨年2月議会の総務環境委員会で、自衛隊の協力要請に応じる義務はないことを質すとともに、「自衛隊に情報提供をしてほしくないという方への配慮として、除外申請を設けるべきだ」と求めました。これを受けて市スポーツ市民局は、2021年度の自衛官募集から、情報提供を希望しない方が申し出れば、宛名シールから除外する「除外申出」を設けました。4件の申出があったそうです。

 ただ、申出期間が1か月もなく、広報も市公式ウェブサイトへの掲載だけで、「除外申出」ができることを知らない市民が多かったと思います。日本共産党市議団は、周知方法の徹底を市当局に求めてきました。今年度は、申出期間が3月31日から5月31日までの2か月間に延長され、市公式ウェブサイトとともに市公式ラインでも広報されています。「除外申出」を希望される方は、市公式ウェブサイトに掲載されている申出書で、電子申請サービスまたは郵送で申し出をしましょう。

2022年3月23日 (水)

「おくやみコーナー」が天白区役所など9区2支所に拡大

 亡くなられた後の区役所での手続きについて、申請書作成のお手伝いを行う「おくやみコーナー」が、現在2区(中村・中川)で試行されています。来年度は天白区役所など9区2支所に拡大されます。「おくやみコーナー」は、日本共産党の議員が2019年2月議会の本会議質問で設置を求めたものです。

 家族を亡くされた方にとって、死後の行政手続きがたいへんです。区役所では、世帯主変更届をはじめ、介護保険証や後期高齢者医療保険証、敬老パスの返納などの手続きをしなければなりません。税金や年金、預貯金など他の機関での手続きもあります。「おくやみコーナー」では、案内人が区役所に届け出る各種の申請書の作成をお手伝いし、申請者が各担当窓口で手続きを行います。2日前までに事前予約が必要です。天白区役所に開設されるのは7月からです。

 私は、開会中の市議会総務環境委員会で、「『おくやみコーナー』だけで手続きが完了すれば、より便利になる。再来年度には全区で実施するとともに、『ワンストップ』も含めてよりよい制度にしてほしい」と求めました。 

2022年2月27日 (日)

メド立たず「暫定的」――名古屋城天守閣木造復元の完成時期

 河村市長が「2020年7月までに完成させる」とぶち上げた名古屋城天守閣の木造復元。2017年5月に工事会社と基本協定を結びましたが、そこでは「2022年12月完成」へと2年以上延長されました。

 ところが、昨年11月、市と工事会社との間で、完成時期を「暫定的に2024年3月31日まで」とする覚書を取り交わしました。「暫定的」ですから、完成時期がどれだけ伸びるかわかりません。こうした事態に至ったのは、現天守閣解体と木造復元を一体とした現状変更許可が取得できていないからです。見通しもないまま、莫大な経費をかけて木材を購入。その保管料に毎年1億円ずつ消えていきます。

 河村市長は、市議会に木工事などの予算の支払期限を「暫定的に2023年度まで」とする補正予算を提出しました。2月25日の市議会本会議で日本共産党の江上博之議員は、「暫定的などといわず、きっぱりと事業を中止し、見直すべきだ」と求めました。

 木造天守のバリアフリーのための昇降技術を公募しますが、その条件は、大天守の「少なくとも1階に昇降ができることとし、可能な限り上層階まで登ることができること」というものです。江上議員は、「最上階に行けるようにするのがバリアフリー。こんな条件でバリアフリー対策といえるのか。強引に進めてきた木造復元は中止を」と強く求めました。

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