市長発言で途絶えた南京市との交流再開に向けて提案――代表質問③
今年は南京市との友好都市提携40周年。それを記念する事業が予算案に計上されていますが、2012年2月、河村市長が南京市の代表団から表敬訪問を受けた際に、「いわゆる南京事件というのはなかったのではないか」と発言したことが発端となって、南京市は名古屋市との公の交流を一時停止しています。私の代表質問に対して観光文化交流局長は「(南京市から市長の)発言の撤回と謝罪を求められた。交流の再開に向けて、その状況は現在も変わっていない」と答弁。交流再開の見通しが立たない状況にあります。
河村市長は、2012年2月定例会で山口清明議員の質問に答えて、「名古屋市の中で南京事件について公式に議論したことはない」と答弁しています。私は広沢副市長に、「市長の発言は名古屋市の公式見解ではないことを南京市側に伝えて、理解を得る努力をされたらどうか」と提案しました。広沢副市長は「市には南京事件に関する公式見解は、当時も今もない。このことを私から南京市に伝え、理解を求めるよう努力する」と答弁しました。
共産党市議団は、河村市長の南京事件発言の撤回を求めていますが、今回はあえて、市長とのその議論は差し控えました。それは、市長が発言を撤回しない中でも、南京市との交流再開の糸口を見出したいと考えたからです。「名古屋市には南京事件に関する公式見解は、当時も今もない」ということは、河村市長の発言は名古屋市の公式見解ではないということです。少なくともそれぐらいのことは南京市に伝えないと、話は一歩も進まないと思います。河村市長には行政の長としての熟慮を求めておきました。