地方自治・住民自治

2014年1月30日 (木)

名古屋市がめざす「特別自治市」制度の創設

 本日の市議会大都市制度・広域連携促進特別委員会では、「名古屋市がめざす大都市制度の基本的な考え方(案)」の説明がありました。この中では、新たな大都市制度として、①圏域における自治体連携の促進、②「特別自治市」制度の創設、という2つの方向性が示されています。「特別自治市」は、現行は愛知県の事務とされているものも含めて名古屋市が一元的に担い、市域内のすべての地方税も名古屋市が一元的に徴収することが想定されています。いわば名古屋市の愛知県からの独立です。

 

 「特別自治市」になると、市が行う行政サービスの範囲や対象が拡大し、組織も大きくなります。今でも名古屋のような大都市では、市民の声が行政に届きにくいのですが、ますます届きにくくなるでしょう。そのため「基本的な考え方(案)」では、住民自治のさらなる充実が掲げられていますが、その仕組みづくりには踏み込んでいません。一方、国の地方制度調査会の答申では、区長に区職員の任命権や予算提案権などを付与する、区長を副市長並みの特別職化し、区長の公選制も検討する、区地域協議会などの仕組みについてはこれまで以上に活用すべきなどの具体的方策が提言されています。「特別自治市」制度の創設は、住民自治の仕組みづくりと一体に検討されなければなりません。

 

 同特別委員会で私は、「特別自治市」と道州制との関連について質問しました。市総務局は「道州制が導入されるかいなかにかかわらず進めたい」と答弁しました。「基本的な考え方(案)」では「道州制」には一言も触れていませんので、道州制導入を前提とせずに検討することはやぶさかではありません。

2013年9月 7日 (土)

東海自治体問題研究所が創立40周年記念事業

20130907 東海自治体問題研究所の創立40周年記念講演・シンポジウムに参加しました。大阪市立大学・滋賀大学名誉教授の宮本憲一先生が、「憲法と地方自治~歴史と課題~」と題して講演されました。「国政が危険な方向に向いた時に、歯止めをする力は地方自治にある」と語る宮本先生。「過去の革新自治体は大都市圏から始まったが、今は東京、名古屋、大阪はもっとも保守的で非文化的な首長の自治体だ」と喝破され、「自治体の改革は大都市圏ではなく、地方から始まるかもしれない。しかし、大都市圏の改革なくして、日本の未来はない」と、名古屋で地方自治に携わる私たちにエールを送ってくださいました。 

 その後のシンポジウムでは、自治体問題研究所理事長の岡田知弘京都大学教授など4人のパネラーの方が、「東海地方における自治体の動きと展望」というテーマで発言されました。いい話だったので、もう少し時間がほしかった。

2012年9月 5日 (水)

地域委員会 モデル実施しても「関心が高まらなかった」?

  Photo_2 本日の市議会総務環境委員会では、地域委員会に関するアンケート結果が報告されました。昨年度までモデル実施した8つの地域では、「地域委員会の実施により、地域活動や住民自治に対する関心が高まったと思うか」という問いに、「(どちらかといえば)高まったと思う」が、「変わらないと思う」を下回っています。また、モデル地域以外では、「地域委員会に取り組みたいと思いますか」との問いに、「(どちらかといえば)取り組みたくない」が、「(どちらかといえば)取り組みたい」を上回りました(グラフ参照)。「住民の期待に応えるほどの効果を感じられなかった」(市総務局の分析)ような制度を続けていく必要があるのか。「新しい制度であり、実際Photo_3に取り組むには難しいと判断された」(同上)制度にこだわる必要があるのか。アンケート結果から問われていると思います。

同委員会では、23年度の地域予算事業の評価についても報告がありました。自民党の市議が、田代学区で実施された「歴史ふれあい音楽会」をやり玉にあげました。86万円使った音楽会の参加者がわずか70人。会場は日泰寺を予定していたのに直前に城山八幡宮に変更。千種区長や出演者は、神社の指導で神事に参加することが条件だった。主催者の一人は地域委員。地域委員会では内容が決まらないまま、「予算は100万円を上限で」と正副委員長に一任・・。こんな税金の使い方でいいのかと、聞いていて驚きました。市総務局も、「一任は好ましくなかった」「正していく点がある」「不適切な点があった」と認めました。

2012年7月13日 (金)

地域委員会のモデル実施が7地域しかなかったのは?

今日の市議会総務環境委員会で、地域委員会の新たなモデル地域の決定について所管事務調査を行いました。モデル実施は、各区2地域、合計32地域を上限に募集されましたが、申請は7区7地域にとどまりました。市が22会場で開いた事前の説明会は、1会場あたりの来場者が13人で、閑散としていました。来場者へのアンケートで、「解決したい地域課題について、地域委員会の仕組みを使って解決に向けた取り組みを行いたい」と答えた人は、17%にすぎませんでした。

地域委員会にたいする市民の関心や理解はきわめて低く、市民的な合意がえられていません。それはどうしてか。新しい「住民自治」の仕組みをつくるといいながら、住民自治を担っている学区連絡協議会などの役割をふまえないで、上から地域に「仕組み」を持ち込むという手法だからではないのか。区政協力委員会や学区連絡協議会という現在の組織とその機能についての総括がなければ、新しい住民自治の仕組みの必要性が理解されないのも当然ではないのか。私は、総括抜きの制度論になっているから、市民の関心も理解も高まらないと思っています。

2012年5月26日 (土)

地域委員会の新たなモデル実施の説明会

20120526 今年度から各区2地域を上限に実施される地域委員会の新たなモデル実施についての説明会が天白区役所で開かれました。参加者は15人程度(市会議員を除く)と少人数でした。参加者からは、「地域委員会と学区連絡協議会との違いは」「学区連絡協議会にお金を出す考えはないのか。現在の学区連協で十分、住民の意見を拾えるのではないか」「申請にあたっては学区連絡協議会との協議が必要とのことだが、協議のレベルはどの程度整えばよいのか」などの質問が出されていました。

 説明会が終わって会場を出るときに、ある学区の区政協力委員長が、「モデル実施に手を上げようと考えている」と、私に言いました。また、「退職して時間ができたので、地域の仲間で地域委員会のことを勉強してみたい」といって資料を余分に持って帰る人もいました。地域委員会については、市民の関心や理解はきわめて低いと思いますが、一方で、新しい住民自治の仕組みづくりに興味を抱いている人も生まれているようです。

2012年3月30日 (金)

「県の廃止」(河村市長)か、「県も名古屋市も廃止」(大村知事)か

 「中京都」構想を推進する司令塔である「中京独立戦略本部」の第2回会議を傍聴しました。河村たかし名古屋市長が提唱する「尾張名古屋共和国」構想は、会議に提出された〝たたき台〟(「中京都創設に向けた基本的な考え方」)には盛り込まれていませんでした。〝たたき台〟では、行政組織体制については、「愛知県と名古屋市を合体し、強力で唯一の司令塔として、『中京都』を創設」という河村・大村共同マニフェストの表現にとどまっています。

 会議の中で河村市長は、「尾張名古屋共和国が自然発生的なアプローチで、フレンドリーな感じ。道州制、すなわち県の廃止に踏み込む」と発言。河村市長の「尾張名古屋共和国」構想は、名古屋市と周辺市町村との広域連携にとどまらない行政体をめざすものですが、合併ありきではありません。これにたいして大村秀章愛知県知事は、「尾張名古屋共和国については、河村さんから具体的に聞いていない。市町村が合併し、愛知県も名古屋市も廃止して、新たなものをつくるのならわかるが…。共和国の中身を教えてほしい」と気色ばんでいました。

 二人の発言を聞いていて、「中京都」の行政体をめぐる考えでは、溝が広がっているように感じました。ただし、二人に共通しているのは、県の廃止=道州制です。河村市長も大村知事も、最後のあいさつで「法律改正を求めていく」と言っていました。

2012年3月27日 (火)

「尾張名古屋共和国」構想 花見の宴で話し合うことなのか

 

昨日の記者会見で河村たかし名古屋市長は、「尾張名古屋共和国」構想と「中京都」構想の関係について、「共和国がそのまま中京都になるという感じ」と語り、この考えを、30日に開かれる「中京独立戦略本部」の第2回会議に出す予定の「中京都」構想のたたき台に盛り込む意向を示しました。さらに、44日に名古屋城で開く花見には、名古屋市を含めた尾張地域の36市町村長とともに、名古屋市議会の関係委員会の議員や各会派の団長にも声をかけて誘っていることを明らかにしました。

 

そもそも「尾張名古屋共和国」構想とは何か。河村市長は、名古屋市と尾張地域の市町村との単なる広域連携にとどまらず、それを超えた行政体をめざす(ただし合併ありきではない)と言います。

 

それは何のためか。「世界中から企業や人を呼び込み、インフラ整備もがんばる」(123日記者会見)、「名古屋では土地が狭いため、工場は尾張地区となる」(119日総務環境委員会)という河村市長の発言から、広域的なエリアで企業誘致とインフラ整備を進め、そのことを通じてこの地域の国際競争力を強化する、そのために住民の税金を効率よく投資できるようにするところに狙いがあると考えます。「世界と闘える愛知・名古屋の実現」をスローガンに掲げる「中京都」構想と、めざす方向は同じなのです。 

 

昨日の記者会見で河村市長は、「尾張名古屋共和国」の実現には法律改正がいるけれども、「その段階になると、現実的には道州制と同時に取り組むことになる」という考えも示しました。中部財界が要望している「中部州」が実現したあかつきには、「尾張名古屋共和国」がその州都になるということなのでしょうか。 

 

以上のような大きな問題を抱える「尾張名古屋共和国」構想は、花見の宴で話し合うことではなく、市議会の中で徹底して議論すべき問題だと思います。

 

2012年3月21日 (水)

地域委員会の新たなモデル実施は地域に強制せず

先の2月市議会の総務環境委員会では、地域委員会の新たなモデル実施予算について議論が白熱しました。このモデル実施は、来年度から2年間、市内16区32地域で実施が予定されています。ただし、1区2地域については、「目標とするのではなく、あくまで募集の上限として位置づけること」との附帯決議が付きました。区役所が2地域での実施を目標にしてはいけない、モデル実施がゼロという行政区があってもいいという趣旨です。これは当然です。地域委員会のような新たな住民自治の仕組みというのは、行政が地域に押し付けるものではないからです。モデル実施箇所は、「地域の自主的な申請にもとづく手上げ方式」によって募集されます。

この附帯決議には、地域委員会の全市実施を公約している「減税日本」も共同提案者になりました。私は総務環境委員会で、「附帯決議の趣旨には賛同できるし、地域委員会のモデル実施に反対はしないが、予算全体に反対なので、附帯決議には反対せざるをえない」という態度を表明しました。

2012年3月12日 (月)

「中京都」も「尾張名古屋共和国」も道州制をにらんだ構想

名古屋市議会の総務環境委員会の予算審議では、「中京都」構想や「尾張名古屋共和国」構想についても質疑しています。

大村県知事は、「中京都」構想の司令塔である中京独立戦略本部の第1回会議(2月9日)で、「中京都構想を実現するのと合わせて、ぜひ東海地区と中部地区をエリアとする道州制をにらんで、運動を進めていきたい」と言いました。一方、河村市長は、日本共産党の代表質問への答弁で、「道州制が何かわかりやすく言うと、県の廃止と言える。尾張名古屋共和国をつくっていく上で、県の廃止も道州制も、めざす流れの中の一つかなと思う」と述べました。私は、同委員会で、「『中京都』も『尾張名古屋共和国』も、道州制を視野に入れた構想ではないか」と質問。市総務局は、「行き着く先として道州制をにらんでいることでは同じ」と答弁しました。

道州制とは、国の仕事は国防、外交やマクロ経済などに限定する。道と州は広域的な産業政策と大規模なインフラ整備を担う。福祉や教育などは合併した基礎自治体に丸投げするというものです。小泉「構造改革」が進めた「地方分権改革」の徹底であり、財界が求めている路線でもあります。「中京都」「尾張名古屋共和国」といったネーミングは目新しいのですが、中身は財界・大企業中心の大都市改造ではないでしょうか。

2012年2月17日 (金)

中京独立戦略本部――破たんしたトリクルダウン理論にしがみつくのか

 市議会総務環境委員会で、2月9日に開かれた中京独立戦略本部の第1回会議の報告がありました。中京独立戦略本部は、大村県知事と河村市長が提唱する「中京都」構想などを推進する司令塔です。

第1回会議では、「韓国・中国と闘っていける競争環境が整備された地域にしていかなければいけない」(トヨタ自動車副社長)、「愛知・名古屋版の成長戦略が必要であり、製造業が国際競争に勝ち・・・」(JR東海副社長)など、大企業の国際競争力の強化という視点からの意見が出されました。私は、「中京都」構想の狙いは、大企業の国際競争力の強化のために、巨大インフラ整備に集中投資する体制づくりにあると指摘してきましたが、その方向が明らかになりつつあります。

中日新聞(2月5日付)に掲載された河村市長と大村県知事の座談会記事に、同紙の社会部長が「強い都市よりも」というコメントを寄せていました。「『企業や富裕層が経済を引っ張れば全体が潤う』なんてウソだと人々は知っている。庶民を幸せにしている強い都市が世界のどこにあるのか」「人に尽くす公平な社会の実現は、強い都市に勝っている」と述べておられます。

私は、同委員会でこの記事を紹介し、「『大企業が潤えば、やがて中小企業や家計にも利益がしたたり落ちて経済がうまくいく』というトリクルダウン理論は破たんしている。しかし、中京独立戦略本部会議の議論には、トリクルダウン理論に立った発想が前面に出ている」と指摘しておきました。

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