名古屋市議会・議会改革

2024年10月11日 (金)

河村市長の辞職に不同意の討論

 河村市長が衆院選出馬のために辞職を申し出たことへの同意が、本日の本会議で議題となり、日本共産党など反対多数で不同意となりました。私が行った反対討論を紹介します。

 市長が退職するとした10月14日は、決算認定案を審査している市議会の最中であります。市長は10月2日の本会議で、決算認定案の提案にあたって、「よろしくご審議のうえ、適切なご議決を賜りたい」と議会にお願いされました。ところが、ご自身は、審議の結末を見届けることなく市長を辞するというのは、議会と市民に対してあまりに無責任であり、身勝手と言わなければなりません。

 河村市長は、市長としての4期15年に関して「130%のできだった」と述べたと報じられていますが、わが会派に言わせれば、名古屋城天守閣木造復元事業が頓挫するなど市政運営に行き詰まった挙句、市長の座を投げ出すものにほかなりません。

 私は、河村市長とこの議場で様々な問題について何度も論戦してまいりました。数えてみましたら、河村市長と渡り合った質疑・質問は15年の間にのべ33回にのぼります。市長の私に対する答弁は、すりかえやごまかしなど多くはかみ合わないものであり、激しく言葉を交わした時もありました。ただ、河村市長は答弁書を棒読みするのでなく、自分の言葉で答えようとされたので、緊張感のある議論ができたと思っています。

 この市長ともう議場で論戦ができなくなると思うと、私は一抹の寂しさを覚えます。同時に、議論が尽くされていない重要課題が山積したまま去られることに、憤りを感じています。天守閣整備、相生山の道路、そして「減税したから名古屋の税収の伸びは日本一」という事実に反することでしか、その効果を語れない市民税減税などがそうであります。市民の代表である議会で議論が尽くされていないということは、市長が市民への説明責任を果たしていないということになります。それにもかかわらず辞職されるのは、職責放棄と言わざるをえません。以上から、この時期の市長の退職には同意できません。

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2024年10月 3日 (木)

再審法改正を求める意見書 全会一致で採択

 10月2日の市議会本会議で、「刑事訴訟法における再審に関する規定の改正を求める意見書」が全会一致で採択されました。

 意見書では、「冤罪は、憲法が保障する基本的人権を脅かす、深刻な人権侵害である」が、「現行の刑事訴訟法では再審請求手続きに関する審理の在り方について細かな定めがなく……審理の適正さが制度的に保障されず、公平性も損なわれている」ことを指摘。大きな問題点として、「再審において捜査機関が持つ証拠を開示させる仕組みが整っていない」ことや、「検察官が抗告することなどにより審理が長期化していること」をあげ、国会と政府に対し、「冤罪被害者を一刻も早く救済するために、刑事訴訟法における再審の規定を速やかに改正するよう強く要望」しています。

 今議会前に国民救援会のみなさんが、市議会各会派に意見書提出を要請されました。共産党市議団は交渉会派(5人以上)でないため、意見書の原案を提出できなかったのですが、自民党市議団から提出されました。袴田事件などでの世論の高まりが、意見書の採択につながったと思います。

2024年6月 5日 (水)

共産党など少数4会派共同で議長に申し入れ

 日本共産党名古屋市議団など市議会の4つの少数会派(非交渉会派)は6月5日、田中里佳市会議長にたいして議会基本条例にもとづく議会改革推進の申し入れを行いました。共同で申し入れしたのは、共産党の他に一人会派の「青空」「元気」「維新」の議員です。

 申し入れた項目は二つ。一つは、所属議員5人未満の少数会派(非交渉会派)の議会運営委員会への出席と発言を認めることです。議会運営委員会の委員は、「5人以上の所属議員を有する団体」もしくは「他会派のすべてが会派と認めるもの」から選任するとされ、非交渉会派は傍聴しかできません。大阪市議会や京都市議会では、非交渉会派からも代表者の出席を認めています。議会基本条例で定めている「議会の運営に当たっては……議員平等の原則にのっとり、民主的で円滑な運営を推進する」に則り、少数会派の議運への参加を求めました。

 もう一つは、政務活動費の領収書を速やかにインターネット公開することです。2019年2月の議会運営委員会で公開する方向が確認され、収支報告書はネット公開されましたが、領収書は未だに非公開です。政令指定都市では20市中13市で領収書のネット公開が実施されています。全国市民オンブズマン連絡会議の「政務活動費情報公開度ランキング」では、名古屋市は政令市の中で7年連続で最下位です。議会基本条例で定めている「積極的に情報公開を進め……市民への説明責任を果たす」に則り、領収書のネット公開の速やかな実施を求めました。

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2023年9月22日 (金)

議員報酬800万円条例案――減税ナゴヤ幹事長「当面出せない」

 減税日本ナゴヤが議員報酬800万円条例案の提出を急きょ見送った問題で、私が副委員長を務める市議会総務環境委員会が紛糾し、9月20日の同委員会は市長提出議案の審査に入れないまま流会。翌21日、開会時間が大幅に遅れて開かれた同委員会で、減税ナゴヤの北角幹事長が謝罪し、「現時点では、800万円条例案を出せる状況ではなく、当面は出せないと考えている」と述べました。
 
 減税ナゴヤは、9月議会開会前に開かれた議会運営委員会理事会で、800万円条例案を提出する意向を表明しましたが、その後、撤回しました。理事会は各会派の幹事長で構成され、私も過去に理事会のメンバーだった時期が長くありますが、理事会で提出を表明した議員提出議案を撤回したケースは思い当たりません。しかも、減税ナゴヤ幹事長は、その後の理事会などで提出を見送った理由をはっきり言わなかったそうです。

 20日の総務環境委員会で減税ナゴヤ幹事長は、「理事会での私の発言は『出す予定だ』ということで、『確実に出す』とまでは言っていない」と説明。この発言に対し、他会派の議員から「議会軽視」との批判が相次ぎ、私も「不信感が募る」と指摘しました。これを受けて21日の同委員会で減税ナゴヤ幹事長は、「条例案を出す予定」などという発言を撤回し、謝罪しました。800万円条例案の提出を見送った理由については、減税ナゴヤ幹事長は「結果として、(減税市議)全員の(議案提出者としての)署名が集まらなかった」と述べるにとどまりました。

 議員報酬について日本共産党市議団は、引き上げ前の800万円に戻した上で、新たな報酬額は市民参加の第3者機関を設置して決めるという立場です。800万円から増額された分は、災害の義援金などとして寄付しています。

 

2023年9月 8日 (金)

減税日本が提出を見送った議員多選自粛と報酬削減条例案

 減税日本は9月議会に向けて、市会議員の任期を3期までとする多選自粛条例案と議員報酬を特例で800万円に引き下げる条例案を提出しようとしていましたが、議員多選自粛条例案は会派内でまとまらず、提出を断念。議会運営委員会理事会でいったんは提出を表明した議員報酬条例案についても、翌日には取り下げを申し出るという「減税」の右往左往ぶりに議会運営が混乱しました。

 この2つの条例案のねらいは何か。減税日本は、主要政策の一つに「議員のパブリックサーバント化」を掲げています。これは「議員の家業化、指定席化をストップ。報酬は市民並み給与に引き下げ。報酬が高いと長くやりたくなり、長くやると役所とのなれ合いを招きます。お金のためでなく、世のため人のための議員へ」(減税日本の主要政策2022)というものです。さらに、「高報酬は家業化・指定席化を招き質が低下します。市民並み給与だと庶民目線の議員により行政が厳しくチェックされる」(同政策Q&A)と解説しています。しかし、これは机上の空論です。かつて減税日本の1期目の市議の不祥事が相次いだことからも、問題は任期の長短ではなく、議員の政治姿勢にあるのではないでしょうか。

 減税日本が議員報酬800万円と議員多選自粛でめざしているのは、私のような任期の長い議員を市議会から排除することです。河村市長はこれまで、「議会の方が上」などと地方自治の二元代表制を否定する発言を繰り返してきました。「議員の家業化、指定席化ストップ」とは、政治や行政に精通し、河村市長とも堂々と渡り合えるベテラン議員を一掃して、市長が優位に立つ政治体制をつくり上げようとするものにほかなりません。

2023年6月12日 (月)

少数会派の議会運営委員会への参加を認めて――3会派で議長に申し入れ

 日本共産党名古屋市議団(3名)は6月5日、日本維新の会市議団(1名)、名古屋元気と夢の会(1名)とともに、成田議長にたいして「所属議員5人未満の少数会派の議会運営委員会への出席と発言を認めること」を申し入れました。名古屋市議会では所属議員が5人未満の会派は「非交渉会派」とされ、議運の委員が出せません。そのため共産党など3会派は議会運営の協議に参加できないのです。

 地都市では、「非交渉団体から委員会に出席したい旨の申し出があるときは、委員長はその会派の代表者1人の出席を認めることができる」(大阪市会)、「市会運営委員会、理事会及び理事懇談会には、非交渉会派から市会運営委員長に届け出た代表者1人のオブザーバー参加を認める」(京都市会)など、少数会派の参加を認めているところがあります。

 私は成田たかゆき議長に「議長は所信表明で、『違いを認め、少数であってもそれを尊重していく』と言われた。ぜひ検討していただきたい」と求めました。成田議長からは「ご要望は議会運営委員会や議運理事会で協議していきたい」との発言がありました。

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2023年4月25日 (火)

引き続き市議団長として公約実現にがんばります

 日本共産党名古屋市議団は4月24日、新年度の団役員を発表しました。私は引き続き団長を務めます。先の名古屋市会議員選挙では、日本共産党は3議席にとどまり、前回の市議選で獲得した5議席から後退する残念な結果となりました。その最大の要因は、自力の後退にあると考えています。

 一方で、私たちの訴えは共感を広げたと思っています。とくに、物価高騰が暮らしを直撃しているもとで、学校給食無償化を実現させようという訴えは、公園で遊んでいる親子や子どもたちなどにも大きな共感が広がりました。他会派の議員の中にも小学校給食無償化を公約に掲げた方がおられますので、他会派の議員とも共同して、唯一背を向けている河村市長の姿勢を変えさせ、何としても実現したいと思っています。この他、奨学金の返還支援制度、高すぎる国民健康保険料と介護保険料の引き下げ、加齢性難聴者の補聴器購入助成など、選挙で掲げた公約実現のために市民のみなさんと力を合わせてがんばります。

 今回の選挙では、岸田政権が進める大軍拡=「戦争国家づくり」ストップを正面から訴えてたたかいました。河村たかし市長は、市議会の答弁で「憲法9条2項は世にも恐ろしい条文だ」といってはばからない9条改憲論者です。こうした市長のもとで、名古屋市民の大軍拡ストップ・平和の願いを届ける議席として、日本共産党市議団の役割は大きいと思っています。

 河村市政にたいしては、個々の政策課題では一致できる点を探求しつつ、今後も河村市政とは正面から対決してまいります。それは、河村市政が中部国際空港2本目滑走路建設、天守閣木造化、さらには徳山ダム連絡導水路事業を容認するなど、大型開発・大型事業を推進する一方で、国民健康保険料や介護保険料の値上げ、保育園・療育センター・図書館などの民営化・民間委託を推し進めているからです。

 わが会派は非交渉会派ですが、3人の議員が団結して、河村市政と対決しつつ、市民運動と共同して市政を前に進めるために力を尽くしたいと決意しています。
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2023年3月16日 (木)

予算案の組み替え動議を提出

 市議会最終日の本日、日本共産党市議団は名古屋市一般会計予算案の組み替え動議を提出し、私が以下の内容の提案説明を行いました。動議は、他会派が反対し、否決されました。

 組み替えの方向の第1は、市民税減税額がトップの方が6700万円余も減税される河村市長の〝金持ち減税〟は中止し、約96億円の税収を増やします。国民健康保険料の賦課率の引き上げによる値上げを行いません。公立保育所の民間移管や小学校給食調理の民間委託を中止します。

 第2は、中部国際空港の第二滑走路整備、名古屋城天守閣の木造復元、ささしまライブ24地区への巨大地下通路建設など、新たな税金の浪費につながる大型開発事業、不要不急な事業は中止します。

 第3は、市民税減税や大型開発事業の中止などで確保した財源を活用し、小学校給食費は無償にします。高校生への給付型奨学金の対象を非課税の全世帯に拡大するとともに、私学授業料補助の対象を全世帯に拡大し、物価高騰で苦しんでいる子育て世帯の経済的負担を軽くします。奨学金の返還を支援する制度をつくり、若者を応援します。国民健康保険料は、均等割の引き下げ率を10%へと拡大し、18歳以下の均等割を廃止します。加齢性難聴者への補聴器購入助成を創設します。住宅の断熱化などエコリフォーム補助制度と住宅用太陽光発電初期費用ゼロ事業を創設し、中小業者の仕事は増やし、CO2は減らします。 

2022年9月13日 (火)

統一協会と自民党市議などとの関係の調査を――日本共産党名古屋市議団が議長に申し入れ

 統一協会と自民党などの地方議員との関係・癒着が各地で明らかになっています。名古屋市では、2019年に自民党の丹羽宏市議(名東区)らが大村県知事と面会した際、統一協会系の「世界平和連合」関係者が複数人同行したことが報じられています。また、自民党の藤田和秀市議(瑞穂区)が、統一協会の関連団体の自転車イベント「ピースロード」の「愛知実行委員長」だったことが、同団体が南知多町に依頼した文書に記されていました。

 日本共産党名古屋市議団は9月13日、岩本市会議長に対して、統一協会と名古屋市会議員との関係・癒着についての徹底解明を求める申し入れを行いました。各会派が統一協会との関係について調査し、公表するとともに、関係を断絶することを求めました。

 共産党市議団の調べでは、自民党名古屋市議団は昨年度、統一協会の関連団体の研修会・セミナーに参加費を支出していました。
◆2021年12月25日 愛知県平和大使協議会のパートナー制度研修会への参加費5000円(うち政務活動費は按分率80%の4000円)。
◆2022年3月5日 世界平和女性連合愛知第二連合会の子育てセミナーへの参加費1500円。

自民党市議団の政務活動費の領収書で明らかになりました。いずれも領収書のあて先は自民党市議団で、だれが参加したかは不明です。

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2022年9月 7日 (水)

統一協会系イベントの実行委員長に自民党名古屋市議

 統一協会の関連団体が主催して昨年8月に行われた「ピースロード」の愛知実行委員会の委員長に、自民党の藤田和秀名古屋市議が就任していました。南知多町の日本共産党町議が情報公開で開示させた同実行委員会からの文書で明らかになりました。この文書は、ピースロード愛知実行委員会から南知多町長への表敬訪問などのお願い文。同実行委員会の顧問は自民党の工藤彰三衆院議員、実行委員長は藤田和秀名古屋市議と明記されています。

 「ピースロード」は自転車イベントで、統一協会の文鮮明教祖と韓鶴子総裁が設立した「天宙平和連合(UPF)」が共催しています。同イベントであいさつした大府市の市長は、日本共産党大府市議の質問に対して、「実行委員会形式の行事は、代表者が公職者だと信用してしまう」と答えたと報じられています(「中日})。名古屋でも、市会議員と統一協会との関係・癒着の解明が急務です。

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