河村市長の辞職に不同意の討論
河村市長が衆院選出馬のために辞職を申し出たことへの同意が、本日の本会議で議題となり、日本共産党など反対多数で不同意となりました。私が行った反対討論を紹介します。
市長が退職するとした10月14日は、決算認定案を審査している市議会の最中であります。市長は10月2日の本会議で、決算認定案の提案にあたって、「よろしくご審議のうえ、適切なご議決を賜りたい」と議会にお願いされました。ところが、ご自身は、審議の結末を見届けることなく市長を辞するというのは、議会と市民に対してあまりに無責任であり、身勝手と言わなければなりません。
河村市長は、市長としての4期15年に関して「130%のできだった」と述べたと報じられていますが、わが会派に言わせれば、名古屋城天守閣木造復元事業が頓挫するなど市政運営に行き詰まった挙句、市長の座を投げ出すものにほかなりません。
私は、河村市長とこの議場で様々な問題について何度も論戦してまいりました。数えてみましたら、河村市長と渡り合った質疑・質問は15年の間にのべ33回にのぼります。市長の私に対する答弁は、すりかえやごまかしなど多くはかみ合わないものであり、激しく言葉を交わした時もありました。ただ、河村市長は答弁書を棒読みするのでなく、自分の言葉で答えようとされたので、緊張感のある議論ができたと思っています。
この市長ともう議場で論戦ができなくなると思うと、私は一抹の寂しさを覚えます。同時に、議論が尽くされていない重要課題が山積したまま去られることに、憤りを感じています。天守閣整備、相生山の道路、そして「減税したから名古屋の税収の伸びは日本一」という事実に反することでしか、その効果を語れない市民税減税などがそうであります。市民の代表である議会で議論が尽くされていないということは、市長が市民への説明責任を果たしていないということになります。それにもかかわらず辞職されるのは、職責放棄と言わざるをえません。以上から、この時期の市長の退職には同意できません。