公の施設の使用料値上げ――日本共産党市議団の論戦と市民運動が議会を動かす
名古屋市議会の2026年2月定例会で焦点となった市の施設の使用料値上げにかかる来年度予算案と条例案は、自民・民主・公明・減税などの賛成で一部修正されて可決しました。修正は、駐車場料金だけを上限500円までの値上げに抑えるというもので、これによる値上げの抑制額は7千万円余と、原案の12億6千万円(今年10月からの半年分)からすればわずかです。日本共産党市議団は、予算案と修正案にたいする反対討論で、「市民の負担が増えることには違いがない。使用料値上げは撤回を」と求めました。
今回の使用料改定は、752にものぼる施設が対象となる軒並み値上げであり、1月9日に予算の財政局案でその内容が示されると、19日までの意見募集の期間に600件を超える批判や疑問の意見が寄せられました。しかし、議会の中では当初、修正の話が出てくるような雰囲気はありませんでした。本会議の質問でこの問題をとりあげたのは、公明党だけでした。議会が開会すると文化団体が団体署名にとりくみ議会の各会派に値上げ中止を要請しました。革新市政の会も市役所前で宣伝行動を行い、会派回りを行う。そして報道などで値上げを知った市民の反対の声が急速に広がりました。
共産党市議団は所属委員会でこの問題を、①物価高騰で苦しんでいる市民に負担増を強いる、②それぞれの施設の設置目的に照らして使用料に受益者負担の考え方を適用することの問題点という角度から追及しました。財政福祉委員会では、③富裕層優遇の「減税」の財源づくりのために、福祉の後退を招くという角度からも追及しました。
「公の施設」は「住民の福祉の増進」を目的とすると、地方自治法で定義されています。財政福祉委員会で私が「公の施設はどのように定義されていますか」と質問すると、課長が要領を得ない答弁をしたので、「地方自治法ではどう定義されていますか」と聞くと、財政局長が「公共の福祉のため」と答えました。「公の施設」のそもそも論を踏まえず、とにかく値上げで財源をかき集めようという姿があらわになりました。
駐車場の料金は、千種スポーツセンターや女性会館では300円を1000円にするという値上げ案でした。「周辺駐車場と同程度の料金とする」との受益者負担の考え方にもとづくものです。共産党市議団は、「公の施設の駐車場は、施設を利用する市民の利便性を向上させ、施設の利用を促すためのものだ。儲けをあげるためのコインパーキングと同程度の料金とすることは、公の施設を収益施設に変質させるものではないか」と追及しました。
こうした本質をつく共産党市議団の論戦と市民世論の高まりが、自民党などを動かして修正に追い込んだと思います。広沢「オール与党」市政による市民犠牲の政治には堂々と反対の論陣を張る共産党市議団の存在意義が発揮されたと思います。




