リニア口実に巨大道路建設――名岐道路の名高速公社の施行に反対討論
10月1日の市議会本会議で私は、名古屋高速道路公社が名岐道路の建設を進める議案に反対して討論しました。
名岐道路のうち一宮インターから一宮木曽川インターまでの区間が事業化され、国との合併施行として、有料道路については公社が施行するとされています。名岐道路が、国道22号の渋滞緩和に資するという期待があることは承知していますが、公社が施行することには問題があります。名古屋高速道路公社の業務は、「名古屋市の区域及びその周辺の地域」において、指定都市高速道路の新設等を行うとされていますが、名岐道路は一宮市から岐阜都市圏に至る道路であり、公社の業務範囲が、将来的には岐阜まで拡大される恐れがあるからです。
有料道路分の概算事業費は約2200億円で、国土交通省が示した費用便益分析では、事業化区間については1.1と、便益が費用をかろうじて上回っています。しかし、その前提とされている計画交通量は、現状より1.4倍から1.7倍に増えるという、人口減少が見込まれるもとでは考えられない推計であり、投資効果の妥当性が疑われます。
愛知県知事は、名岐道路の新規事業化にあたって、「リニア中央新幹線の開業によるインパクトを中部圏全体へと広く波及させる大変重要な道路」と述べましたが、開業のメドが立っていないリニアを口実にした巨大道路の建設は容認できません。
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