自民党愛知県連のパーティー券問題で自民党名古屋市議団に公開質問状
日本共産党名古屋市議団は1月25日、自民党愛知県支部連合会の「政経セミナー」におけるパーティー券収入の議員への還流疑惑に関して、自民党名古屋市議団に公開質問状を提出しました。その全文を紹介します。
自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐって、パーティーの名目で企業・団体献金をかき集めながら、政治資金収支報告書を偽造し、裏金をつくっていたという疑惑が政権を揺るがしており、真相の徹底解明が求められています。
自民党愛知県支部連合会が2022年11月14日に開催した「政経セミナー」においても、パーティー券収入の一部が同県連所属の議員に還流していたのではないかという疑惑が、日本共産党愛知県委員会の調査によって明るみに出ました。「令和4年分自由民主党愛知県支部連合会政治資金収支報告書」によると、「政治資金パーティー開催事業費」として「活動費」の名目で、同県連所属の国会議員19人、愛知県会議員54人、名古屋市会議員20人に総額3000万円を超えるお金が支出されています。「活動費」として支出されたこのお金は何なのか、何に使ったのか、明らかにされなければなりません。
つきましては、自民党愛知県連の政治資金パーティーにおける「活動費」に関して、下記の2点について質問いたしますので、2月6日までに回答いただきますようお願いいたします。
1 「政治資金パーティー開催事業費」としての「活動費」は、貴会派所属の市会議員には2022年12月7日に支出されていますが、「活動費」の金額は、最低5万円から最高128万円と議員によって異なっています。自民党の派閥の政治資金パーティーでは、ノルマを超えて販売したパーティー券代金が国会議員にキックバックされていましたが、自民党愛知県連の政治資金パーティーでも、「活動費」の金額が議員によって異なることから、それぞれの議員のパーティー券販売枚数に応じて、パーティー券収入の一部がキックバックされたのではないでしょうか。
自民党愛知県連は、報道によると「政経セミナーでは、政治資金規正法や関係法令にのっとって収支報告書に適正に記載している」としていますが、議員によって「活動費」の金額が異なっている点については、見解が報じられていません。貴会派の議員が同県連から「政治資金パーティー開催事業費」として受け取った「活動費」とは何なのか、説明を求めます。
2 「政治資金パーティー開催事業費」としての「活動費」については、支出した側の自民党県連の政治資金収支報告書には記載がありますが、受け取った側の総勢93人の議員が届け出ている政治団体の政治資金収支報告書を調べたところ、同時期に同額の資金提供を受けたという記載は一つもありません(未提出の上村みちよ市議を除く)。
政策活動費として受け取ったので政治資金収支報告書に記載する必要はないとした場合でも、議員個人の収入になれば金額によっては課税対象になります。しかし、「活動費」を受け取った愛知県議と名古屋市議の所得報告書を調べたところ、「活動費」を所得として申告した可能性があるのは愛知県議1人、名古屋市議2人だけであり、大半の議員の所得報告書には記載がありませんでした。
政治資金規正法も国会議員の資産公開法も、その目的は「国民の不断の監視と批判の下におくため」であり、「民主政治の健全な発達に資する」ことにあります。政治資金収支報告書であれ、所得報告書であれ、不記載というのは政治資金を何に使ったのか国民が監視できず、民主政治の健全性を損なう行為であり、「活動費」が裏金になったのではないかと疑われてもしかたがありません。
貴会派の議員が自民党愛知県連から「政治資金パーティー開催事業費」としての「活動費」を受け取りながら、政治資金収支報告書にも所得報告書にも記載していないことについていかがお考えか。また、法的責任はもちろん政治的責任として「活動費」を何に使ったのか明らかにする必要があると考えますが、見解を伺います。