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2023年6月

2023年6月30日 (金)

名古屋城市民討論会での差別発言問題――有識者交えたチームで検証

 6月29日の市議会総務環境委員会で、名古屋城天守閣の木造復元のバリアフリーをめぐる市民討論会での差別発言問題について調査しました。この中で名古屋市は、外部の有識者を選定して検証チームを発足させることを表明。河村市長や松雄副市長へのヒヤリングも検討することを明らかにしました。検証作業を進める上で、これは当然の方向です。

 同委員会では、天守閣復元を担当する観光文化交流局の管理職職員からのヒヤリング結果が報告されました。私は職員の意見を読んで、今回の市民討論会は、木造天守のバリアフリーに関する市長の思いと当局の思いが食い違う中で開かれたことがよくわかりました。河村市長の思いについて担当職員からは、「市長は、最上階を目指すようなものではない、選定した技術は認めないということを主張」、「夏ごろからこのような提案があるということは市長にも説明していた。その時は特段の反応もなかったので、12月に最優秀提案の話をしたときに急に異を唱えられて戸惑いがあった」などの意見が出されています。バリアフリーに関する市民討論会であるにもかかわらず、障害者への配慮という人権の視点が欠けていた背景には、市長に「昇降設備は1階まで」と表明させるお膳立てを整えるという政治的思惑があったと言わざるをえません。

 職員からのヒヤリングでは、 「多くの人がつけるなと言っているから1階までと決断したというのは、令和の時代では多分通用しないと思う」という意見があります。「選定した昇降技術は認めない」という河村市長、「1階まで」で妥協を図ろうとした松雄副市長。「令和の時代では通用しない」ことを担当職員に求めてきたこの二人の言動の中に差別発言を生じさせた遠因があったのではないか。真摯に省みてもらわなければならないと思います。

 「今となっては、基本的には、市民討論会の組み立て自体が不適切であったし、段取り自体も不十分であったと思う。その根本的な原因は我々の障害者なり、バリアフリーに対する考え方が、市長も含めて適切ではなかったと思っている」――職員からの意見です。外部有識者を交えた検証チームで、市長や副市長からも聞き取りを行い、差別発言を生じさせた原因を究明することが求められています。

2023年6月28日 (水)

学校給食費の一部補助にとどまらず無償化を

 緑区から初当選した、みつなか美由紀議員が6月22日の本会議で、補正予算に計上されている学校給食費への一部補助について議案質疑を行いました。

 今回の補正予算は、物価高騰の中でも保護者負担を増額せずに現在の給食の水準を維持するため、高騰する食材費の支援に必要な経費を増額するものです。小学校給食は一食あたり264円に対して当初予算分も含めて45円の増額、中学校スクールランチは一食あたり320円に対して同じく55円の増額になります。保護者負担を増やさないという点では評価できます。

 学校給食費を無償にする自治体が2022年には254自治体と増えており、愛知県内でも期間を限定するなどして無償にする自治体が増えています。みつなか議員は「名古屋市でも給食費の全額補助(無償化)を期限を区切ってでも実施するべきではないか」と河村たかし市長に求めました。これにたいして市長は「全部タダにすると金持ち優遇になる。そうではなくて就学援助で」とこれまでの答弁をくりかえしました。

 みつなか議員は6月5日に行われた市民と教育委員会との懇談で寄せられた「就学援助は受けることに引け目を感じたり抵抗のある方もいる」「家計が大変だから勇気を出して申請したが援助の対象外だといわれ、すごく情けない思いをした」などの声を紹介し、「就学援助では市長のいう『普通の庶民』に無償と有償の分断が生まれる」と指摘。物価高騰の中での経済的な負担を軽減するとともに、すべての子どもの教育を受ける権利を保障するために、小学校給食の無償化に向けて検討するよう求めました。

 

2023年6月23日 (金)

問われる「人権よりも天守『本物復元』優先」――市民討論会での差別発言問題

 6月3日に開かれた市民討論会では、木造天守へのエレベーター設置を求める車いす利用の参加者に対し、一部の参加者から差別発言があり、その発言を主催した市側は制止しませんでした。河村市長は市議会開会日の所信表明で、改めて謝罪するとともに、市民討論会での市側の対応について検証を行い、再発防止に向けて取り組んでいくと表明。私は、本日の市議会で、差別発言に対する市長の認識をただしました。

 河村市長は6月5日の記者会見で、車いす利用の参加者にたいする身体的ハンディキャップへの差別表現(市長は「聞こえなかった」と言っていますが)については差別と認めましたが、それ以外の「ずうずうしい」「我慢しろよ」など一連の発言については、「表現の自由」を盾に差別に当たるかどうかの判断を避けました。その後の市議会常任委員会の議論などで、健康福祉局は障害者差別に当たると断定しています。「現時点ではどのように考えているのか」という私の質問に市長は、「障害者基本法や障害者差別解消法の理念に反するものであり、障害者差別である」と認めました。当然のこととはいえ、この点では市長と市当局の認識が一致しました。

 河村市長は市民討論会の閉会あいさつで、「熱いトークもありまして、なかなかよかったですね」と述べました。私は「『なかなかよかった』という発言は名古屋市として障害者への差別発言を無視し、容認したことになるのではないか」と質問。市長は「差別発言を容認するものではない」と釈明。そこで、私は「それなら市民討論会をどのように評価しているのか」と質問しました。市長は「差別発言が出たのは大変残念だ。『表現の自由』はあるが、事前に注意喚起すべきだった。しっかり検証し再発防止に取り組む」と述べましたが、討論会の評価については明言を避けました。

 さらに私は、「障害者への配慮よりも『本物復元』を優先する市長の態度が、差別発言の一因となったのではないか」と質問。 しかし、河村市長は「木造復元を行うという考え方と(希望者)全員が(天守閣最上階に)昇れるようにするという考え方は両立しない」などと自説を展開。私は、「差別発言問題をしっかり検証するとともに、市長は自らの市政運営を謙虚に省みてほしい」と求めました。

 

2023年6月14日 (水)

差別発言を制止しなかった河村市長の人権意識

 6月3日に開催された「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」で、天守閣木造復元計画へのエレベーター設置を求める意見を述べた身体障害者に対し、他の参加者から差別発言がありましたが、主催した市側は発言を制止しませんでした。こうした対応について、本日開かれた市議会総務環境委員会でも「人権の尊重」という観点から議論しました。

 「名古屋市基本構想」(1977年策定)では、まちづくりの基本理念として、「憲法の精神にもとづき、ひとりひとりの基本的人権がまもられ」た名古屋の建設をめざすとされ、「人間性の尊重」が掲げられています。市が主催する集会で差別発言を制止しなかったという今回の事態は、人権の尊重という名古屋市のまちづくりの基本理念に反するきわめて重大で深刻な問題です。

 河村市長は6月5日の記者会見で、差別表現を制止できなかったことについては謝罪しました。しかし、差別表現は「聞こえなかった」と弁明しています。その場にいた市職員やマスメディアの記者には聞こえていたのですから、差別表現という重大な発言を「聞き洩らした」ところに、河村市長の人権意識の欠如が現れているのではないでしょうか。討論会では参加者から障害のある人にたいしてエレベーター設置を「我慢しろ」という発言もありました。これは障害者基本条約や障害者差別解消法で定めている障害のある人への「合理的配慮」に欠ける発言です。しかし、河村市長はこの発言は「覚えている」と記者会見で述べましたが、「表現の自由」を盾に差別的な発言とは認めていません。

 市民討論会での閉会あいさつで河村市長は、「熱い討論となりまして、なかなかよかったですね」と述べています。「我慢しろよ」という発言が「不適切」という認識もその場ではなかったのではないか。ここにも河村市長の人権意識の欠如が現れていると思います。市民討論会での河村市長の閉会あいさつは、主催者である名古屋市の市長としてのあいさつですから、名古屋市として障害者への差別的な発言を無視し、容認したことになります。市長はこの発言を撤回し、自らの認識不足を謝罪すべきです。

2023年6月12日 (月)

少数会派の議会運営委員会への参加を認めて――3会派で議長に申し入れ

 日本共産党名古屋市議団(3名)は6月5日、日本維新の会市議団(1名)、名古屋元気と夢の会(1名)とともに、成田議長にたいして「所属議員5人未満の少数会派の議会運営委員会への出席と発言を認めること」を申し入れました。名古屋市議会では所属議員が5人未満の会派は「非交渉会派」とされ、議運の委員が出せません。そのため共産党など3会派は議会運営の協議に参加できないのです。

 地都市では、「非交渉団体から委員会に出席したい旨の申し出があるときは、委員長はその会派の代表者1人の出席を認めることができる」(大阪市会)、「市会運営委員会、理事会及び理事懇談会には、非交渉会派から市会運営委員長に届け出た代表者1人のオブザーバー参加を認める」(京都市会)など、少数会派の参加を認めているところがあります。

 私は成田たかゆき議長に「議長は所信表明で、『違いを認め、少数であってもそれを尊重していく』と言われた。ぜひ検討していただきたい」と求めました。成田議長からは「ご要望は議会運営委員会や議運理事会で協議していきたい」との発言がありました。

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2023年6月 5日 (月)

「学校給食の無償化を」 市民が市に署名提出

 市民のみなさんが、小学校給食費の無償化や全員制の中学校給食の実施、オーガニック給食の拡大を求める約7000名分の署名を市長と教育長宛てに提出し、市教育委員会に要請しました。日本共産党市議団も同席しました。

 要請では参加者から「就学援助を受けているので給食費は無料だが、就学援助を受けることに引け目や抵抗のある保護者もいる。無償化して子どもみんなが平等に食べられるようにしてほしい」「中学校の子どもが『スクールランチは副菜がおいしくない』と言っている。全員制の給食にしてほしい」などの願いが語られました。新日本婦人の会天白支部は約2000名分の署名を提出。岩佐佳代子支部長は、「無償化とともにオーガニック給食の拡大などで給食の内容をおいしくよいものにしてほしい」と訴えました。
 
 学校給食の無償化は、4月の市会議員選挙で大きな争点になりました。当選した68人の市会議員のうち、選挙公報の中で給食費無償化・無料化を明記している議員は24人にのぼっています。共産党は3人全員、自民党8人、名古屋民主9人、公明党3人、減税日本も1人います。私は、「党派を超えて、35%の議員が公約して当選した重みをしっかり受け止めて、小学校給食無償化に踏み出してほしい」と求めました。
 
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