メド立たず「暫定的」――名古屋城天守閣木造復元の完成時期
河村市長が「2020年7月までに完成させる」とぶち上げた名古屋城天守閣の木造復元。2017年5月に工事会社と基本協定を結びましたが、そこでは「2022年12月完成」へと2年以上延長されました。
ところが、昨年11月、市と工事会社との間で、完成時期を「暫定的に2024年3月31日まで」とする覚書を取り交わしました。「暫定的」ですから、完成時期がどれだけ伸びるかわかりません。こうした事態に至ったのは、現天守閣解体と木造復元を一体とした現状変更許可が取得できていないからです。見通しもないまま、莫大な経費をかけて木材を購入。その保管料に毎年1億円ずつ消えていきます。
河村市長は、市議会に木工事などの予算の支払期限を「暫定的に2023年度まで」とする補正予算を提出しました。2月25日の市議会本会議で日本共産党の江上博之議員は、「暫定的などといわず、きっぱりと事業を中止し、見直すべきだ」と求めました。
木造天守のバリアフリーのための昇降技術を公募しますが、その条件は、大天守の「少なくとも1階に昇降ができることとし、可能な限り上層階まで登ることができること」というものです。江上議員は、「最上階に行けるようにするのがバリアフリー。こんな条件でバリアフリー対策といえるのか。強引に進めてきた木造復元は中止を」と強く求めました。