五輪ソフトボールで金メダルを獲得した後藤希友選手が河村市長を表敬訪問した際、市長が「金メダルをかむ」という常軌を逸した行為に及んだ問題で、名古屋市議会は13日、河村市長にたいして、強く抗議し、猛省を促すとともに、「明確なけじめをつけること」を要請しました。市議会各派団長・幹事長会での協議を踏まえて、服部議長と中村副議長が市長に要請書を提出しました。減税日本ナゴヤは、要請書に賛同しませんでした。
団長・幹事長会で私は、「今回の問題の本質は、河村市長の言動がセクハラ・パワハラにあたり、ジェンダー平等に反するという人権問題にある」と指摘しました。このことは、マスメディアやSNS上で有識者や市民からも厳しく指摘されています。たとえば、文芸評論家の斎藤美奈子氏は、「(河村市長が)女子選手の容姿に何度も言及する。結婚や恋愛を話題にする。相手の持ち物を口に入れる。セクハラとパワハラで完全にアウトである。その場で拒否すればよかった、なんていうのは無理。彼女の立場で考えれば、笑顔で耐える以外にない。だからこそ、それはハラスメントなのだ」(「東京新聞」コラム)と批判しています。
団長・幹事長会では公明党や名古屋民主の市議団長からも、市長が後藤選手にたいして、「女性蔑視、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント」にあたる発言をしていたことが指摘されました。同会議に出席していた杉野副市長は、「今回の市長の行為は言動に問題があった。市長はこれまでも若い女性にたいして『旦那を早く』などと発言し、ハラスメントにあたると何度も指摘してきたが、市長には響かなかった」と答えました。市議会の要請書では、「(河村市長が)これまで行ってきた相手の立場を慮らない人権意識の欠如した数々の言動」にたいしても、抗議と猛省を求めています。
河村市長の行為にたいする抗議・苦情が、一週間余りで約13000件も市に寄せられています。その中には、「早く辞職すべきだ」という声も少なくないそうです。斎藤美奈子氏も、先のコラムで「辞職勧告決議に値する案件。議会の見識も問われている」と述べています。私は、市議会が市長に求めた「明確なけじめ」には、辞職という選択肢も含まれると考えています。