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2020年7月24日 (金)

「表現の自由」の否定と侵略戦争の肯定・美化――市議会の論戦では決着がついている「知事リコール運動」

 本日、天白区で市政報告会を開きました。「3密」を避けるために来場者を制限して。そこで私は、高須克弥氏や河村たかし名古屋市長などが始めようとしている「大村秀章愛知県知事リコール運動」についても、昨年9月市議会での「表現の不自由展・その後」の中止問題をめぐる論戦を紹介しながら、以下の話をしました。

 私は、昨年の9月議会の本会議質問で、「平和の少女像」をもとに、「表現の自由」について河村市長に質しました。少女像を制作した韓国の彫刻家キム・ソギョンさんとキム・ウンソンさん夫妻は、「しんぶん赤旗」のインタビューで次のように語っています。「日本の一部の政治家や保守系のメディアは、少女像を『反日の象徴』などといいますが、それは違います。『慰安婦』被害の歴史を記憶し、人権のためにたたかい続けるハルモニ(おばあさん)をたたえ、運動を継承するためのものです。少女像には、ハルモニの苦しく長かった人生や未来への夢など、すべてを込めました」。

 私は作者のこの言葉を紹介して、河村市長に問いました。「市長は、日本国民の心を踏みにじる『反日』作品だと感じられたようですが、少なくない人たちは、つらい人生を歩んできた被害者への『共感』を抱いたのではないでしょうか。市長は、『平和の少女像』という作品が、これを見た人たちに与える多様な感じ方まで否定するのか」と。河村市長は、「田口さんのいわれる感情を持つ方もいるでしょう」と答えました。多様な感じ方を否定できないのです。しかし、続けて「もっとおびただしい数の日本の皆さんが、それは事実でなかったという気持ちを持っておられたと思う。その皆さんの表現の自由は踏みにじられちゃうんじゃないですか」と言ったのです。

 河村たかしという人は、憲法21条で定められた「表現の自由」がまったくわかっていない。「表現の自由」とは、たとえ自分にとって受け入れられない作品であっても、他者が展示会で表現する権利を侵すことはできないというものです。こう言うと河村市長は、行政が主体となった展覧会で、税金を投入すると「行政が『慰安婦』を認めたと誤解を与える」と言うのです。これにたいして私は、「それは、あなたが日本軍『慰安婦』問題はなかったとする歴史修正主義の色眼鏡で見ているからではないのか。芸術作品に対する評価は、見た人に判断してもらえばいいのです」と厳しく指摘しておきました。

 本会議質問では、河村市長の歴史認識についても質しました。日本軍「慰安婦」問題についての政府の見解は、1993年8月4日に出された河野洋平官房長官談話です。「河野談話」は、元「慰安婦」の女性16人の方から聞き取り調査も行って、5つの事実を認定しています。それは、一つ、慰安所と「慰安婦」が存在したという事実。二つ、慰安所の設置・管理などで日本軍が関与した事実。三つ、「慰安婦」とされた過程が「本人たちの意思に反して」いた、すなわち強制性があったという事実。四つ、慰安所における強制性、「慰安婦」が強制使役のもとに置かれていたという事実。五つ、日本を別にすれば、多数が日本の植民地の朝鮮半島出身者であり、募集、移送、管理等は「本人たちの意思に反して行われた」、すなわち強制性があったという事実です。その上で、「河野談話」は心からのお詫びと反省の気持ちを表明しています。私は、「河野談話」が認定した事実を示して、この事実を認めるかと市長に問いましたが、市長は「河野談話」への認識を答えませんでした。さすがの河村市長も、市長の立場で「河野談話」を否定することはできないのです。

 河村市長は「平和の少女像」を見た人の多様な感じ方を否定できない。日本軍「慰安婦」問題で政府見解が明らかにした事実も否定できない。市議会の論戦では決着がついているのに、知事リコール運動を起こす。そこには、2千万人をこえるアジア諸国民と300万人をこえる日本国民の命を奪った侵略戦争を肯定し、それをすすめた旧日本軍を美化する思想を拡大しようとする狙いがあります。日本共産党愛知県委員会が発表したアピールは呼びかけています。「『表現の自由』を否定し、侵略戦争と旧日本軍の肯定・美化をもとめる知事リコール運動に正当性はありません。命がけで侵略戦争と軍国主義に反対してたたかった日本共産党として、この取り組みを許すわけにはいきません。日本共産党愛知県委員会は、『表現の自由』を守り、日本の平和と民主主義をもとめる諸団体、愛知県民とともに、知事リコール運動に反対する一大運動をすすめる決意を表明するものです」。

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