木材保管庫に3億円余――天守閣「まず解体」「まず木材調達」は乱暴
6月議会に河村市長が提出した補正予算には、天守閣木造復元に使用する木材を保管・加工する施設を名城公園に設置する経費として、2か年計画で3億1700万円が盛り込まれています。文化庁に木造復元の許可申請すら出すことができないのに、すでに94億円余をかけて木材の調達を進め、こんどはその保管庫まで3億円余をかけて造るというのです。
復元の許可申請が出せない状況の下で、河村市長は4月、天守閣の解体だけを先に申請するという奇策に打って出ました。これにたいして、有識者でつくる市の石垣部会は、「石垣や地下遺構の調査がまだ行われておらず、現況把握ができていない中での工事計画で、『石垣への影響が軽微』との結論は承服しがたい。天守閣解体の工事計画を推し進めることは容認できない」との意見を表明。文化庁にも伝えられています。文化庁が解体を許可する見通しもありません。
本日の市議会本会議で市観光文化交流局長は、解体許可について「いつの文化審議会に諮り、いつ結果が出るのか具体的なスケジュールは聞いていない」と、答弁しました。日本共産党の江上博之議員は、「2020年末完成に間に合わせようと木材の調達を急ぐから、保管庫が必要になる。しかし、復元の許可どころか、解体の許可さえ出ていない。復元の見通しがない中での木材の調達は中止すべきだ。そうすれば保管庫は必要ないではないか」と追及しました。江上議員はさらに、「木造復元の許可の見通しはあるのか」「2022年末の完成期限は守れるのか」と質問しましたが、河村市長は「精一杯努力する」とひと言、答えるのが精一杯でした。
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