議員報酬800万円恒久化の根源にある河村市長の「政治ボランティア化」
市議会総務環境委員会で議員報酬について議論しています。日本共産党市議団は、「800万円に戻し、新たな報酬額は市民参加の第3者機関で検討する」条例案を提出しています。自民・民主・公明が提出した条例案の「1450万円の特例継続」は、市民の理解が得られていません。河村市長が提出した800万円恒久化条例案も問題があります。
800万円恒久化は、河村市長の「政治ボランティア化」という政治理念にもとづいています。2月5日付けの「朝日」のインタビューで河村市長は、「地方自治は、首長と議会の議員を選挙で選ぶため、『二元代表制』と言われますが、議会の方が上です」と語っています。市議会でもかつて、「議会は、長を遥かに凌ぐ大変強力で、圧倒的な権限が与えられている」と繰り返し発言していました。これが河村市長の「政治ボランティア化」論の核心です。地方自治の二元代表制を否定し、議会の権限を縮小し、市長が優位に立つ政治体制をつくり上げようとするところに狙いがあります。市長が提出した議員報酬800万円恒久化条例案は、単なる「市民並み給与にする」ということにとどまらない問題をはらんでいます。
本日の同委員会で減税ナゴヤの委員から、「共産党は3年前に市長提案の800万円恒久化条例案に賛成したのではないか」と質問されました。私は、「議員報酬の特例値を800万円から1450万円に引き上げる条例案に反対した立場から、同じ定例会で800万円に反対はできません。しかし、市長の『政治ボランティア化』論に与するものではない」と答えておきました。
共産党市議団が実施した市政アンケート(1万2千通超の回答)では、議員報酬について、「年額800万円に戻す」が43.7%、「市民の意見を聴くために第3者機関を設け、報酬額を議論し、見直す」が40.6%、「年額1450万円を認める」が6.5%でした。このアンケート結果から、「1450万円」は市民の理解を得ていないと受け止めました。同時に、「800万円恒久化」も圧倒的な民意とはいえません。ですから、いったん引き上げ前の800万円に戻したうえで、新たな報酬額は市民参加の第3者機関で検討するというのが、いちばん理にかなっていると思います。
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