天守閣木造化の木材契約する時ではない
名古屋市議会には、名古屋城天守閣の木造復元のための木材の調達・製材などを94億円余で竹中工務店と契約する議案が提出されています。日本共産党の江上博之議員は6月22日の本会議で、「木材契約の前にやるべきことすら行われていない」として、①現天守閣を解体、木造化するための「現状変更許可」が、文化庁から得られる状況にない、②エレベーターに代わる「新しい技術」は現時点ではなく、開発の見通しもない、③文化庁が木造化の条件としている「現在の石垣の劣化状況などの調査」が終わっていないことなどをただしました。
渡邊観光文化交流局長は、石垣調査について「年度内に報告書を取りまとめたい」と答弁しました。こんな状況では、今年秋に得たいとしている文化庁の許可は到底無理でしょう。本会議では、自民党議員の質問に答えて広沢副市長が「スケジュール的には厳しい状況と認識している」と述べました。文化庁の許可を得る時期も見通せない状況で、「2022年12月完成」という超短期のスケジュールを前提に、木材の調達・製材を先行させてよいのでしょうか。いったん立ち止まるべきです。明日からの委員会質疑が注目されます。
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