名古屋空港の航空機騒音にたいする監視体制の見直しを
「これまで聞いたことのない航空機の大音量に驚いた」という守山区大森に住んでいる人が、区役所に問い合わせたところ、「県営名古屋空港に隣接する三菱重工小牧南工場におけるF35ステルス戦闘機の試験飛行だった」との回答が返ってきたそうです。くれまつ議員は、本日の名古屋市議会本会議で、こうした住民の声を届けて、名古屋空港の航空機騒音にたいする監視体制の強化を求めました。
名古屋空港における航空機の騒音測定は、名古屋市内では北区と守山区の2地点で、冬季に2週間、定期監視が行われています。今年の測定結果は、北区では環境基準の57デシベルを超える60デシベル、守山区では基準値の57デシベルでした。騒音測定は、国の「航空機騒音測定・評価マニュアル」にもとづき、飛行場の運用状況や主要な航空機の飛行経路などから測定地点や測定時期を定めることになっています。
名古屋空港は、国際線が中部国際空港に移って以降、小牧基地の自衛隊機の離着陸回数が2倍以上に増えています。自衛隊機の騒音は、天白区の北部地域でもひどくなっています。山本環境局長も、「C130の低空飛行訓練やヘリコプターの緊急飛行などの騒音による苦情や相談が寄せられ、騒音が発生している」と認めました。しかし、「自衛隊機の低空飛行訓練は、防衛上の機密事項だから訓練内容を事前に把握することができないため、低空飛行訓練の測定は困難」(山本環境局長)とされています。そのうえ、新たにF35戦闘機による騒音被害が広がろうとしているのです。
三菱重工小牧南工場では、F35の組み立てが行われるとともに、点検・整備などを行うリージョナルデポ(地域整備拠点)とされました。くれまつ議員は、「本格的にF35が配備されると、点検・整備などのために名古屋空港に飛来する機数が増加し、騒音被害が増えるでしょう。それでも、現状どおりの騒音監視体制でよいのか」と質問。山本環境局長は、「F35を含めた自衛隊機に限らず離着陸回数が大きく増加するなど、定期監視の測定結果が現状よりも高くなっていくような場合は、適切な測定地点、期間となるよう騒音監視体制の見直しを検討したい」と答弁しました。