市立若宮商業の閉校に道理なし
名古屋市教育委員会は、市立若宮商業高校(天白区)の生徒募集を2020年度入学分から停止し、2022年3月末で閉校する計画案を公表しました。これにたいして保護者やOBなどから怒りの声が上がっています。
若宮商業の閉校は、「魅力ある市立高等学校づくり推進基本計画(第2次)」案に盛り込まれました。閉校する理由として市教委は、「商業科に対する生徒ニーズが他の学科よりも低い状況が長年続いている」(同計画案)からとしています。しかし、若宮商業の入試倍率は2倍前後で推移しています。定員割れもしていない高校を廃止する道理はありません。
市教委はまた、「学校規模や施設の築年数などを総合的に勘案した」(同計画案)、といいますが、若宮商業は1学年6クラスで、市教委が高校の適正規模としている1学年6~8クラスを満たしています。1963年に開校した同校は、校舎の残存耐用年数が20年程度以上あります(名古屋市『公共施設白書』)。学校規模や施設の築年数を勘案しても、閉校を急ぐ理由は成り立ちません。
それでもどうして閉校したいのか。市施設の保有量を「40年間で10%削減する」という河村市政の大方針(「市設建築物再編整備の方針」)につき従っているだけ。教育的な観点はかけらもありません。こんな市立高校の閉校方針を「魅力ある市立高等学校づくり」という名の計画案に盛り込むというのは噴飯物です。