唖然とした委員会可決――名古屋城天守閣「解体・木造化」予算案
本日の市議会経済水道委員会で、昨年6月議会から継続審査になっていた名古屋城天守閣の解体・木造化予算案が、日本共産党と自民の丹羽議員以外の賛成多数で可決されました。同委員会の審議では、自民党や公明党の議員も、ときには共産党議員以上に、当局を激しく追及していました。それにもかかわらず、どうして賛成したのか。委員会審議を聞いていた人で理解できる人はいないでしょう。
自民・民進・公明は附帯決議を付けましたが、その内容は、「入場者数目標の達成への努力」「寄付金、補助金、減税見直しも含めた財源確保」「事業費の圧縮努力」など、木造化事業を進める上では当たり前のことを述べているだけです。
天守閣木造化には505億円という巨額の事業費がかかります。河村市長は、木造復元後の入場者数が現在の2倍以上の400万人程度に増え、それが50年間近くも継続することを前提にした収支計画を持ち出しました。入場者数激増の根拠を質した昨年2月議会の私の代表質問に、河村市長は「税金を使うなどと人を惑わすようなことを言ってはいけない。税金は使いません」と気色ばんで答弁しました。
ところが、経済水道委員会では、「何もしなければ時間とともに入場者数は落ち込んでいく」という日本総合研究所の意見が示され、収支計画の根拠のなさが明らかになりました。すると、河村市長は「仮に収支がよくなくとも、必ず推進すべきものである」と開き直り、昨日、その考えを文書で同委員会に提出したのです。人を惑わしてきたのは、「税金は1円も使いません」と断言してきた河村市長ではないか。
経済水道委員会では、各会派のみなさんが、4回の定例会にわたって本当に熱心な議論を繰り広げられ、収支計画をはじめ木造化計画のさまざまな問題点があぶり出されたと思います。現にある復元された天守閣を急いで壊すことに、市民の合意もありません。だからこそ、ここはいったん立ち止まり、来月の市長選挙での市民の審判を踏まえて考えることが、民主主義ではないでしょうか。
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