2017年度の名古屋市予算案の特徴
名古屋市の2017年度予算案が公表されました。その特徴の第1は、笹島巨大地下通路建設などリニア関連の名古屋駅周辺開発や空見地区における大規模展示場の整備など、大型開発推進の予算案となっていることです。河村市長は、「中日新聞」の年頭のインタビューで、「今年の名古屋の課題は」と問われて、「名古屋城天守閣の木造復元と大規模展示場の整備でしょう」と答えています。予算案が継続審査になっている天守閣の木造復元と合わせて、河村市長の金看板である2つの大型事業が推進されようとしています。
第2は、市民税5%減税で117億円の税収を減らし、その穴埋めのために、福祉や教育の分野でも民営化や民間委託を推進する予算案となっていることです。小学校給食調理業務の民間委託は天白区の天白小など5校に拡大。図書館への指定管理者制度の導入は4館に拡大。公立保育園の廃止・民営化は、職員が暴行事件を起こした法人が選定されたあじま保育園も含めて、計画通りに推進。さらに、各区で実施されている要介護認定事務を1か所に集約して委託化。保健所は全市で1つの保健所にして、各区の保健所は支所=「保健センター」にすることも提案されています。これらに共通するねらいは、市職員の削減によるコスト削減であり、行政の責任を後退させるものにほかなりません。
第3は、安倍政権の悪政に追随して、市民の負担を増やす予算案となっていることです。後期高齢者医療では、4月から低所得世帯に対する保険料の軽減措置を縮小します。所得に応じて支払う所得割の軽減は5割から2割に縮小。元会社員の扶養家族などの均等割の軽減も9割から7割に減らします。市民病院の東部医療センターでは紹介状なしの場合の初診料加算などが引き上げられます。
なお、予算案には、高等学校給付型奨学金の創設、避難所である小中学校への段差解消のための簡易式スロープの配備、新堀川における悪臭対策、学校図書館への司書の配置、就学援助の入学準備金の増額、繁華街での客引き行為への対策など、共産党市議団が提案した市民要求もいくつか盛り込まれています。
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