天守閣木造復元予算案の継続審査は議決権の放棄
6月議会から継続審査になってきた名古屋城天守閣の木造復元の基本設計費などを盛り込んだ予算案が、市議会経済水道委員会でまたもや継続審査になりました。日本共産党と公明党が継続審査に反対しました。
木造復元のための基本設計予算が成立すれば、竹中工務店と契約を締結することになります。竹中工務店を交渉相手(優先交渉権者)に選定した公募型プロポーザルの「実施公告」では、天守閣の竣工は2020年7月31日までとなっていました。ところが、河村市長は、完成期限を「概ね2年延長することで、完成期限を2022年7月を目途」としたいと表明。市当局も、2年延長した工期で竹中工務店と契約することにこだわっています。しかし、完成期限の延長は、公募の前提条件をくつがえすものであり、契約手続きの公平性・公正性を損ないます。完成期限を延長するのであれば、市長は、「2020年7月完成」という方針が無謀だったことを素直に認め、公募それ自体をやり直すのが筋です。
経済水道委員会では、完成期限「延長」というやり方に対して、木造復元の賛否を超えて、批判や疑問が集中していました。「議決するに至る状況にない」(継続審査動議)とは考えらず、「否決」が妥当と思われる審議状況だったのに、継続審査とするのは、議会が議決権の行使を放棄したと言われてもしかたがありません。
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