アジア大会への立候補 名古屋市の取り下げは妥当
名古屋市は本日、愛知県と名古屋市が共催開催をめざす2026年アジア競技大会について、立候補を取り下げることを決めました。その理由は、アジア競技大会の開催には多額の経費が必要となることから、たとえ粗い試算であっても大会必要経費と県市の負担割合を市民と議会に示し、丁寧に説明責任を果たすことが不可欠と考えて、愛知県と協議を続けてきたが、愛知県からは、アジア・オリンピック評議会(OCA)に提出する開催構想に大会開催経費などを掲載しないとの連絡を受け、市民への説明責任が果たせないことが明らかになったからです。2026年アジア競技大会の開催地は、今月25日のOCA総会で決まる見通しですが、開催経費の試算も県市の負担割合も示されないもとで、名古屋市が共催できないことは当然であり、今回の市の判断は妥当だと考えます。
アジア競技大会の開催経費をめぐっては、今年の6月定例会で日本共産党のさはしあこ議員が、「市の財政負担が過大にならないか。大会運営費や施設整備費などの財政負担について、いつまでに明らかにするのか」と質問。新開副市長は「過大な経費をかけないようにしたい。大会運営費や施設整備費の概算は、9月のOCA総会に提出する開催構想を策定する段階で検討していきたい」と答弁していました。さらに、さはし議員は「財政問題は市民にとって大きな問題。本市は試算もしないで誘致を決めてしまったが、大問題だ。市民、議会にたいして早急に明らかにし、慎重に議論する場を設けよ」と求めていました。
こうした議会の議論も踏まえて、市も努力したようですが、「9月のOCA総会に提出する開催構想を策定する段階」でも、開催経費などを明らかにすることができなかったことから、立候補を取り下げざるをえなかったのです。ただし、アジア競技大会の開催をあきらめたわけではなく、愛知県から改めて共催の申し入れがあれば、再検討する余地を残しています。
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