天守閣木造復元のゴールを2026~27年に延期しても、拙速さには大差なし
市議会経済水道委員会で自民党市議が、名古屋城天守閣の木造復元を認めたうえで、完成を市長提案の2020年から、2026年のアジア競技大会および2027年のリニア開業予定に延期するよう提案。本日の同委員会で河村市長は、「2026年アジア競技大会や2027年リニア開業を目途に完成時期を見直すことも名古屋市にとって大きな起爆剤になる。ただし、優先交渉権者の竹中工務店との法的な整備などに時間を要するので、決断するのに少し時間がほしい」と答弁。完成時期を延期する方向を示唆しました。
木造復元の完成時期を2026年あるいは27年まで延期したとしても、工期は10年足らずしかありません。2020年7月までに天守閣を復元するという竹中工務店の提案でも、後回しにした石垣工事まで完了する予定は2024年度ですから、石垣工事も含めると工期は8年になります。自民党の提案は、石垣工事から着手するというもので、手順は変わりますが、工期は最大3年伸びるだけ。すぐに現天守閣の取り壊しにかかり、木造化を拙速に進めるという点では、竹中工務店案と大差がないのではないでしょうか。
市民アンケートでは、「2020年7月にとらわれずに木造復元を行う」と回答した人が4割と最多でしたが、この回答を選択した人のすべてが、現天守閣の耐震改修を否定したと捉えることはできません。まずは耐震改修を行い、将来、建て替えが必要になった時には、コンクリートでなく木造で復元すべきと考えて、この回答を選択した市民も少なくないと思います。
天守閣の耐震性に危険があるというのなら、まずは耐震改修を急いで行い、木造復元については数十年かけて市民的な議論を行えばよいのではないでしょうか。
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