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2016年6月14日 (火)

河村市長の天守閣木造復元表明――命を懸ける方向が間違っている

Img_0681本日開会した6月議会に河村たかし市長は、名古屋城天守閣の木造復元のための基本設計費など約10億円を盛り込んだ特別会計補正予算案を提出しました。いまの天守閣は年内に閉鎖し、来年度に解体、2020年7月の東京オリンピックまでに完成させるという無謀なスケジュールで木造復元を進める補正予算です。 

本会議の所信表明で河村市長は、天守閣の耐震性能が著しく低いことをことさら強調し、早急に耐震性能を確保するためには、2020年7月までの木造復元が「最速かつ最善な方策だ」と強弁しました。しかし、耐震性能が低いことを承知しながら対策をサボタージュしてきたのは河村市長ではありませんか。市長が所信表明で紹介した「IS値0.14」という数値は、2010年度に河村市長のもとで実施された耐震診断で明らかになりました。この耐震結果を受けて、名古屋市が策定した『特別史跡名古屋城跡全体整備計画』では、「天守の耐震改修整備などを行う」という方針が示されたにもかかわらず、河村市長が「木造復元だ」と言い出したために、耐震改修に踏み出せずにきたのです。名古屋城を「未だ耐震化の方針が立っていない施設の最たるもの」(河村市長)にしてきた張本人は、河村市長ではありませんか。 

河村市長は、市民アンケートでは、「約60%を超える皆さんが木造復元を望まれる結果となった」といいます。これは我田引水です。アンケート結果では、「2020年7月までに木造復元を行う」という回答は、21%にすぎませんでした。アンケートで約4割と一番多かった「2020年7月にとらわれず木造復元を行う」と回答した市民が、現天守閣の耐震改修を否定したとみることはできません。まずは耐震改修を行い、将来、建て替えが必要になった時には木造で復元すべきと考えて、この回答を選択した市民も少なくないでしょう。「東京オリンピックまでに」という市長の方針が否定されたことを素直に受け入れるべきです。 

所信表明の最後に河村市長は、名古屋城天守閣の木造復元に「命懸け・不退転の決意」で臨むと言い張りました。命を懸けるのは、民意を無視した暴走ではありません。市民の福祉・暮らしを守ることにこそ命を懸けるべきです。「東京オリンピックまでの木造復元」という暴走を止めるために、私たちは「不退転の決意」で臨みます。


 写真は、本日、市役所前で、「現天守閣を壊すな!」とスタンディングする市民の方たち。

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