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2016年4月11日 (月)

「不可能といえるほど非常に厳しい」――天守閣木造化を請け負う竹中工務店

名古屋城天守閣の木造復元の設計・施工を請け負う竹中工務店が提案してきた事業費は、最大500億円。今まで市が言ってきた400億円を100億円も上回っています。河村市長は「税金は使いません」と、まだ言っているようですが、2月議会のわが会派の代表質問でその根拠をまともに示すことができませんでした。こうした市民を惑わす発言は慎んでもらいたい。 

竹中工務店は、2020年7月末の東京オリンピックまでに完成させるスケジュールで工事提案をしてきました。しかし、その竹中工務店も提案書の中で、「超短工期での史実に忠実な木造天守閣の実現に対する認識」について、次のように述べています。 

「私共は、名古屋城の完全に史実に忠実な復元は過去の実績等の調査を踏まえて10~20年はかかると判断しています。指定された竣工日までに残された期間は4年と4ヶ月であり、史実に忠実な復元を実現するには不可能といえるほど非常に厳しいものと認識しています」。 

河村市長はタウンミミーティングなどで、「名古屋城は寸分違わぬ江戸時代の城が復元できる」「150年ぐらいで国宝になる」などと言っていますが、工事を請け負う予定のゼネコンからも、「不可能といえるほど非常に厳しい」という言葉を突き付けられました。「体制が整っていないまま計画を進めても、『張りぼて』の天守閣を木造で造るだけになる」――「読売新聞」(330日)に載った千田嘉博・奈良大学長(城郭考古学)の指摘です。無謀なスケジュールでの木造復元は止めさせましょう。

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コメント

極一部の人を除いて2020年までに史実に忠実な木造天守閣再建がなされると思っている人はいないでしょう。ところで、肝心の木材の調達をどうされるのか委員会に竹中の人が来られたら確認してみてください。例えば20年に一度の神宮の式年遷宮では10000本以上の檜が使われますが、伊勢市に所有する5500haの宮域林は大正時代に本格的な植林を始めたため、主要な部材に使用できるまでにはあと200年はかかると言われております。そのため、前回の式年遷宮では自前の木材は25%ほどで、主要な部材(大きいものでは直径1メートル、樹齢400年)は木曽地方や中津川などにある8000haの国有林の檜を使用しました。そしてこの地方の檜は慣例で式年遷宮専用とされています。
このような中、どこから国産材を調達してくる計画なのでしょうか。仮にギリギリ調達することができるとしても、貴重な木材が枯渇するような使い方をすることはどうかと思います。自分のところさえ良いというような品のない手法で建てられたものには価値を見出せません。

昨晩の熊本の激しい揺れを伴った地震には本当に驚きました。被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。映像の中でショックを受けたのは熊本城の被害の様子です。丁度本市では天守閣再建の話が持ち上がっていますが、城を再建するにあたって避けて通れないのは地震への備えです。そのような時に起きた地震です。このことを生かしていくことが我々の務めだと思いますので、現地が落ち着いた段階で調査団を派遣して地震とそれによって被害を受ける城の構造のメカニズムを徹底的に検証して頂きたいと思います。熊本城の教訓をしっかり生かさないと400年後に残る城造りはできないと思います。今度竹中さんが委員会に来られたらこのようなことも議論して頂きたいと思います。
名古屋城の創建当時は城造りの名人がいたので地震に強い組み立て方のノウハウがあったのでしょうね。図面さえあれば史実に忠実な再建ができるというのは幻想にすぎないと思いますが、肌感覚のノウハウがない以上、科学の力で徹底的に分析して名人の域に近づくしかないのでしょう。

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