議員報酬は他都市との「均衡を考慮」でなく、名古屋市会の独自性の発揮を
議員報酬800万円恒久化条例案を審議している総務環境委員会では、公聴会開催や参考人からの意見聴取を行わないことになりました。その理由は、条例案の審査にあたっては、その前段階として、特別職等報酬審議会に議員報酬のあるべき額について適正に諮問するとともに、その必要に応じて、公聴会の開催や参考人からの意見聴取等の方法をとってもらうべきだったというものです。
市長が報酬審議会に諮問すべき「報酬の適正額」とは、同審議会の判断基準とされる「規模の類する他の政令指定都市等の議員の報酬額との均衡等を考慮」したものでなければならないと思われます。それでは、同規模の他都市との均衡が考慮されない報酬額は適正な額と考えることができないのでしょうか。実は、名古屋市会は、議会基本条例の制定過程でこの考えを排してきたのです。議会基本条例の制定にあたっては、議会内に研究会が設置されて検討が進められました。その過程では、議員報酬の条文について、中間段階で座長が示した「座長案」には明記されていた「他の同規模地方公共団体との均衡等を考慮」するという文言が削除されました。
削除された経緯が、『名古屋市議会基本条例の制定について―研究会報告書』に次のように載っています。「『他の同規模地方公共団体との均衡』という文言を削除し、本市の独自性を発揮して議員定数及び議員報酬を定めることとした」。「均衡等を考慮」するという文言が削除されたのは、名古屋市の独自性を発揮して議員報酬を定めようという精神からなのです。この精神に立てば、800万円という議員報酬が旧五大市などと比較して大きく乖離していることは、問題にすべきことではないと思います。
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