天守閣木造復元で「稼げる街にする」?
「税金は、名古屋城天守閣の木造復元よりも福祉・暮らしに回せ」――これが多くの市民の思いです。これにたいして河村市長は、「福祉を充実させるためにも、木造復元して、稼げる街にするんだ」と、熱田区で開かれたタウンミーティングでも反論していました。それでは木造復元によって、いったいいくら稼げると考えているのでしょうか。木造復元による経済波及効果は、名古屋市の試算では約100億円です。しかし、この試算の根拠がいいかげんだということが、11月議会での日本共産党議員の質問で明らかになりました。
この試算は、名古屋城の入場者数が、現在の年間165万人から165万人増えて330万人に倍増することが前提です。それでは、入場者数が倍増する根拠はどこにあるのか。8年前に市が実施した本丸御殿に関するアンケート結果から、類推に類推を重ねたもので、根拠は薄弱です。
しかも、ここで矛盾が出てきます。本丸御殿着工前は110万人だった入場者数が、完成後に実際に倍増すると、220万人になります。そうすると、そこから165万人増えなければ、天守閣復元による約100億円の経済波及効果は生じないことになります。220万人に165万人を足して385万人ですから、165万人の倍増では足りない。「入場者数が2.3倍に増えるのか」と追及された市民経済局長は、答弁不能に陥りました。
市の試算がいいかげんだということが明らかになったので、タウンミーティングで市側は、「熊本城は本丸御殿の復元で2.8倍、姫路城は大天守の保存修理で1.7倍に入場者数が増えた」という資料を持ち出しています。しかし、熊本城は、本丸御殿復元が竣工した2008年度に222万人になりましたが、その後は160万人前後に減少しています。今一番人気の姫路城でも、今年度の入場者数は200万人程度と予想されています。入場者数が三百数十万人というのは、余りに過大な見込みだといわざるをえません。
だいたい経済波及効果をいうのなら、敬老パスは316億円です。敬老パスの3分の1にすぎない経済波及効果で、「稼げる街にする」とはよく言えたものです。
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