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2015年11月25日 (水)

天守閣木造復元の経済波及効果の根拠なし

名古屋城天守閣を木造で復元した場合の経済波及効果は約100億円――名古屋市の試算です。この試算は、木造復元によって名古屋城の入場者数が現在の年間165万人から165万人増えて330万人に倍増することが前提です。しかし、「入場者数165万人増加」という想定には根拠がないことが、本日の市議会本会議での日本共産党の柴田たみお議員の質問で明らかになりました。 

入場者数が165万人増加する根拠を質した柴田議員にたいして、市民経済局長は「本丸御殿に関するアンケート調査を分析したところ、本丸御殿が完成すると入場者数がほぼ倍増するという結果になった。天守閣を木造復元した場合にも、本丸御殿復元と同等の集客効果があると考えた」と答弁しました。本丸御殿着工前は110万人だった入場者数が、完成後には220万人に倍増するという調査結果だったというのです。

 

しかし、本丸御殿第1期の完成後の入場者数は165万人ですから、「倍増」の想定ははずれました。柴田議員が、「天守閣木造復元後に入場者数が倍増するという根拠は崩れたのではないか」と追及すると、市民経済局長は、「今後、全体公開へと進めば、入場者数は増加する」と答弁。仮に本丸御殿全体公開後に倍増し、220万人になったとしたら、そこから165万人増えなければ、天守閣復元による約100億円の経済波及効果は生じないことになります。柴田議員が、「220万人に165万人を足して385万人。今より2.3倍に増える。こんなことがありえるのか」とたたみかけると、市民経済局長は答弁不能に陥りました。

 

「木造復元で約100億円」という経済波及効果の算出は、天守閣復元に関する独自の調査をせずに、本丸御殿に関する調査を援用するという手抜き調査であり、入場者数が約165万人増えるという根拠が薄弱だということがはっきりしました。こんな杜撰な調査をもとに、「100億円の経済波及効果」などと喧伝することはまかりなりません。

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コメント

一緒に盛り上げていこうよ、って気はないの?
邪魔してるだけじゃん。そんなじゃ民主党となんら変わらないよ

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