天守閣木造復元 国の補助金はたいして当てにできない
本日、日本共産党名古屋市議団は党愛知県委員会とともに、省庁への要請行動を行いました。要請項目は、TPP、工事データ改ざん、シングルマザー支援、子育て支援、自衛隊小牧基地、リニア新幹線、若者支援、介護・国保など盛りだくさん。本村伸子、島津幸広衆議院議員、井上さとし参議院議員も同席してくれました。
この中で、名古屋城天守閣の木造復元についてもレクチャーを受けました。河村市長は「2020年の東京オリンピックまでに完成させたい」と言っていますが、問題の一つは財源の確保。国からどんな補助金等がどれだけもらえるのか。文化庁の「歴史活き活き!史跡等総合活用整備事業補助金」と、国土交通省の「社会資本整備総合交付金(都市公園等事業)」の二つが、国から支出される可能性が示されました。いずれも補助率は50%です。しかし、「東京オリンピックまで」と期限を切ると、国からはたいしたお金はもらえないことが明らかになりました。
「歴史活き活き!史跡等総合活用整備事業補助金」については、今年度の予算額は65億円。全国で約400件の事業に補助し、最大でも1件2億円程度だそうです。「自治体からのすべての要望に応えるのは難しい」と、文化庁文化財記念物課の文化財調査官は言っていました。「社会資本整備総合交付金」については、名古屋市は今年度、本丸御殿の復元に約8億円交付してもらっています。国土交通省都市局公園緑地・景観課の職員は、「名古屋市への交付額は全国的に高い方。全国からの要望に応えきれていない。名古屋市だけ要望に応えるわけにはいかない」と説明してくれました。
木造復元の概算経費は270~400億円。東京オリンピックまで5年弱ですから、2~3年の工期で、事業費の50%の補助金等を国から支出してもらえることなどありえません。
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