木造復元は将来の研究課題。耐震改修を選択した小田原城
今年7月から耐震改修工事に着手した小田原城天守閣について調査してきました。小田原城天守閣は、名古屋城の1年遅れで天守閣が再建されました。名古屋城と同様に、耐震性が課題とされる一方で、「木造で再建を」という声があがっています。
小田原市は、2011年8月から専門家や市民代表による「天守閣耐震改修等検討委員会」を設置し、耐震改修とともに木造復元の可能性についても検討してきました。その結果、「喫緊の課題である耐震改修を速やかに行う」「木造復元の可能性はないわけではないので、今後さらに資料の収集と研究を続けていく」という結論に達しました。木造復元については、天守閣の外観写真などがないことが、文化庁の復元検討委員会の審査基準を満たす上での課題になっているそうです。
名古屋城は往事の資料が十分にそろっています。しかし、木造復元に向けての名古屋市のやり方は、余りにぞんざいだということを、小田原城を訪ねて痛感しました。小田原市のように専門家の英知を集めて検討を重ねるという手立てを講じていません。コンサルタント会社やゼネコン任せです。小田原城天守閣の諏訪間館長は、「後世に末永く文化財として残していくためには時間がかかる」と話していました。
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コメント
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境根のセブンイレブンが工事に入りましたね。
店の前まで行ってないので改装か閉店か把握してませんが、地元年寄りの数少ない買い物場所ですよね。
お城もいいけど、地元の買い物難民を助ける気はないんですか?
どうぞ、UR商店街の廃止とスーパーの誘致についてご決断下さい。
今日も明日も、地元年寄りはどこか買い物に行くのか知りませんが、みんな困っていますよ
投稿: ぱるな | 2015年11月14日 (土) 08時39分
専門家の英知を集めて検討を重ねる。
どの分野でも、これは必要不可欠だと思います。
そして、検討の場は広く市民に公開すべきだと考えます。
投稿: 芳田善満 | 2015年11月16日 (月) 07時08分