概算事業費もはっきりしないの木造復元の手続き開始?
名古屋城天守閣の木造復元に向けた契約手続きを開始するというのに、概算の事業費も定まっていません。これまでの市の調査では、創建当時と同様に「無節」の木曽ヒノキを使うと約400億円、「節付き」の国産材なら約320億円、外国産材も使うと約270億円と、幅があります。
技術提案・交渉方式では、公募にあたって発注者が工事費の参考額を設定することができるとされています。参考額というのは、単なる目安であり、その範囲内での契約を要するものではないとされていますが、技術提案・交渉方式を採用した新国立競技場では、1550億円という総工費の上限を設定して、ゼネコンを公募しています。
ところが名古屋城天守閣では、事業費を大きく左右する木材の材質について、「技術提案の中で考えていく」(河村市長答弁)、「今回の提案は概算事業費を明らかにするため」(市民経済局長答弁)というのです。概算事業費もはっきりしない段階で、木造復元に向けた手続きを進める予算を認めてよいのでしょうか。
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