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2015年9月

2015年9月30日 (水)

名古屋天守閣の木造復元は急ぐべきではない――共産党が反対討論

 本日の市議会本会議で、日本共産党の西山あさみ議員が、名古屋城天守閣の木造復元を盛り込んだ補正予算にたいして反対討論を行いました。全文を紹介します。

 

 反対する理由は、名古屋城整備検討調査と銘打って、名古屋城天守閣の木造復元に本格的に踏み出す予算が計上されているからです。 

第1は市民の意見を聞かず、市民合意のない中で木造復元へと舵をきったことです。当局は7月1日の経済水道委員会で、「木造復元を目指す」という方針を撤回し、複数の「選択肢を示しながら、市民の意見を聞き、調査結果などを丁寧に説明する」という方針を示しました。ところが、市民の意見を聞くこともなく、木造復元に向けた技術提案交渉方式による契約手続きを開始するというのは、市民そっちのけと言わざるを得ません。昨年2月に実施されたネットモニターアンケートでは「耐震改修」が7割を超えたように、木造復元についての市民合意はありません。市民アンケートを行うというのなら、補正予算を提出する前に実施すべきです。 

第2は2020年7月のオリンピックまでに竣工という無謀な方針となっていることです。当局は委員会で、事業者募集の条件として2020年7月までの竣工を明示しました。市の調査では、天守閣本体だけでも、解体に3年、復元工事に6年、合わせて9年。しかも、御殿の工事と重複しないよう「本丸御殿完成後に木造復元に着工するのが望ましい」という結果が出ています。こうした調査結果を棚上げにする工期の設定は資材や人件費の高騰をまねき、事業費が跳ね上がることはあきらかです。 

第3は概算事業費も明らかにせず、財源のめどがたたぬままでの強行は市民の暮らしに犠牲を強いる恐れがあることです。木造復元といっても木材や仕様により270億円~400億円と大きな幅があります。概算事業費も示さず事業者まかせにするのはあまりにも無責任です。国からの補助金確保のメドも立っておらず市の財政見通しも厳しいもとで、巨額の市費を投入すれば市民の暮らしに大きな犠牲を強いることになりかねません。 

第4は、「特別史跡名古屋城跡全体整備計画」では、天守閣については耐震改修を進める方針であるにも関わらず、木造復元に方針を転換することは、この「全体整備計画」との整合性がとれないことです。 

以上の点から、天守閣の木造復元には大きな問題があり、いま急ぐべきではありません。

2015年9月29日 (火)

買い物困難地域とスーパーを結ぶ市バス路線を

 Photo_2天白区相生学区と山根学区の東部地域では、スーパーが撤退して、お年寄りなどが買い物に困っています。「緑区相川三丁目にあるスーパー『平和堂』までバス一本で行けたら、買い物が便利になる」という住民の声を受けて、自治会・町内会が「平和堂」を経由する市バス路線の新設を求めて署名活動にとりくみました。本日、相生・山根両学区の学区連絡協議会会長と相生学区連協の事務局長でもある私が、市交通局に5453名分の署名を提出し、要望しました。 

要望項目は、①市バス「幹原1」系統に島田一ツ山発着で「相川三丁目」経線を設けること、②「幹原1」系統の島田一ツ山発着の運行回数を増やすことです。応対した眞野隆久交通局自動車部長は、「平和堂」経由の路線について「鋭意検討します」と応じました。

2015年9月20日 (日)

「戦争法廃止の国民連合政府」の実現を――本村伸子衆院議員と街宣

Photo日本共産党の志位委員長は昨日、「『戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府』の実現をよびかけます」という提案を発表しました。この提案では、戦争法廃止、安倍政権打倒のたたかいをさらに発展させるとともに、戦争法廃止で一致する政党・団体・個人が共同して国民連合政府をつくろう、そのために「戦争法案廃止の国民連合政府」で一致する野党が、国政選挙で選挙協力を行なおうと呼びかけています。 

本日、地下鉄植田駅前で本村伸子衆議院議員が、戦争法の採決に抗議するとともに、この提案を紹介し、戦争法廃止に向けた新たなたたかいへの決意を訴えました。私や柴田たみお、さはしあこ両市議も参加しました。

2015年9月18日 (金)

有料自転車駐車場条例の制定について質疑

本日開かれた市議会土木交通委員会(私が委員長)では、有料自転車駐車場条例の制定などについて質疑が行われました。有料自転車駐車場条例は、現在は民間委託されている有料自転車駐車場の管理を指定管理者に行わせるとともに、利用料金制を導入するものです。

 

駐輪場の利用者にとって一番気になるのは料金です。現行は1日一律100円ですが、新制度では100円以内とされており、指定管理者が100円より安く設定することができるようになります。一方で、駐車スペースが60㎝を超える広い駐車ますの場合は200円以内で設定できるようになります。「現在は60㎝を超える駐車ますの駐車場はありません」(市当局)。委員からは「指定管理者が高い料金を徴収できる広い駐車ますを無限定に設置するようなことがあってはいけない」と質され、当局は「指定管理者の募集要項などで、広い駐車ますの設置について限定する」と答えました。

 

 定期利用の料金については、新たに大学生等の定期が新設されます。一般は1か月2000円以内、高校生以下は1500円以内、大学生等は1700円以内です。また、現行は1か月定期と3か月定期しかありませんが、新制度では12か月まで1か月単位で発行できるようになり、4か月を超えると割引率が大きくなります。

2015年9月16日 (水)

概算事業費もはっきりしないの木造復元の手続き開始?

名古屋城天守閣の木造復元に向けた契約手続きを開始するというのに、概算の事業費も定まっていません。これまでの市の調査では、創建当時と同様に「無節」の木曽ヒノキを使うと約400億円、「節付き」の国産材なら約320億円、外国産材も使うと約270億円と、幅があります。 

技術提案・交渉方式では、公募にあたって発注者が工事費の参考額を設定することができるとされています。参考額というのは、単なる目安であり、その範囲内での契約を要するものではないとされていますが、技術提案・交渉方式を採用した新国立競技場では、1550億円という総工費の上限を設定して、ゼネコンを公募しています。 

ところが名古屋城天守閣では、事業費を大きく左右する木材の材質について、「技術提案の中で考えていく」(河村市長答弁)、「今回の提案は概算事業費を明らかにするため」(市民経済局長答弁)というのです。概算事業費もはっきりしない段階で、木造復元に向けた手続きを進める予算を認めてよいのでしょうか。

2015年9月15日 (火)

市民の意見を聞かずに提案された天守閣木造復元予算

本日の市議会本会議で、私は、名古屋城天守閣の木造復元予算について質問しました。この予算は、名古屋城天守閣の木造復元に向け、契約手法として技術提案・交渉方式を採用し手続きを進めるというもの。今回の予算では、木造復元の設計・施工を請け負うゼネコンを選定するところまで進める予定です。

 

私が問題にした一つは、今回の予算提案の手続きについてです。これまでの市議会経済水道委員会の議論では、議会側は木造復元にゴーサインを出しておらず、当局も「木造復元をめざす」という方針を引っ込め、「(天守閣)整備の選択肢を示しながら、市民の意見を聞く」という方針にトーンダウンしました。それにもかかわらず、木造復元に向けた予算を提案するのは、あまりに唐突なやり方です。 

私は、「7月1日の経済水道委員会以降に市民の意見を聞いたのか。市民の意見を聞くこともなく、木造復元へと舵を切るのは、議会無視、市民そっちのけではないか」と追及。市民経済局長は、「市民意見は聞いていない」と認めました。同局長は、今後、天守閣整備の3つの手法(木造復元、復元的整備、耐震改修)について市民の意見を聞くので、木造復元という結論ありきではないかのような答弁をしました。これにたいして私は、「今回の予算では、ゼネコンから木造復元の技術提案を公募し、もっとも優れた提案をしたゼネコンを選定する。この手続きの過程で、議会が木造復元はやめるという判断を下すことができる機会があるのか」と質問。同局長は、「設計契約と施工契約の前に予算の議決が必要で、2度のチェックをしてもらう」としか答弁できず、設計・施工を請け負うゼネコンを選定するまでは、木造復元にノーと言えないことが明らかになりました。

 

技術提案・交渉方式を採用するねらいには、工期の短縮があります。私の質問にたいして河村市長は、「東京オリンピックに間に合うなら、世界中にアピールできる」と答弁しましたが、これまでの市の調査では約18年間かかるとされてきた工期が、オリンピックまでの5年間に短縮できるわけがありません。仮に、オリンピック前に現天守閣の解体工事に着手することができても、オリンピック開催中は、世界から来るお客さんに天守閣を見てもらえないでしょう。今回の予算は、「調査費」と銘打っていますが、工期を短縮してまでして「木造復元に本腰を入れて取り組む予算」にほかなりません。

 

市当局は、自民党市議の質問にたいして、今後、市民アンケートを実施する意向を明らかにしました。しかし、アンケートを実施するというのなら、木造復元に向けた予算を撤回し、この間の経済水道委員会で指摘された事項についての調査結果を議会に報告したうえで、3つの天守閣整備の手法について市民に問うべきだと思います。

2015年9月11日 (金)

議員定数「10」削減を民主など主張

本日開かれた名古屋市会の議会改革推進協議会で、民主党は、現行の議員定数75を65に10削減する考えを主張。自民、公明、減税も定数削減を主張しました。

 

日本共産党は、「各層の多様な民意を市政に反映させるために必要な人数を確保」するという議会基本条例の観点から、現行の定数を維持することを主張しました。その理由は、名古屋市は議員1人あたりの人口が30185人であり、横浜市、大阪市に次いで多く、定数を削減すれば、議員1人あたりの人口がさらに多くなり、多様な民意を市政に届けにくくなるからです。

 

また、定数を6人以上削減すると、定数2の選挙区が中区も含めて3つになりますが、定数2では、大政党が議席を独占する可能性が大きく、少数政党が排除されやすくなります。定数の削減は、民意が反映されにくい定数2の選挙区を増やすことになるからです。

 

議員定数の削減は、「身を切る」ために必要だといいますが、名古屋市議会はすでに議員報酬を半減させ、身を切っています。定数削減が議員報酬引き上げの引き金になり、一方で民意が切られてはなりません。

2015年9月10日 (木)

来年度予算編成にあたって河村市長に要望

20150910本日、河村市長にたいして来年度予算編成にあたっての要望を行いました。河村市長は、「公害記念館」をつくることに「賛成だ」。市民御岳休暇村を後期高齢者医療広域連合の協定保養所として位置づけて、後期高齢者の料金負担を軽減することにも、「いいことだ。ワシが連合長だったときに、どうして要望してくれなかったのか」と賛意を示しました。「療育を必要とする親子を受け入れるための十分な定員枠を確保し、療育待機児を速やかに解消する」という要望にたいしては、岩城副市長が「前向きに対応していく」と答えました。

2015年9月 8日 (火)

議会無視、市民そっちのけの「天守閣木造復元」予算提案

10日から名古屋市会の9月定例会が開会します。私は、名古屋城天守閣の木造復元に関する補正予算について、15日の本会議で議案質疑に立つ予定です。

 

この予算は、天守閣の木造復元に向け、契約手法として「技術提案・交渉方式」を採用し手続きを進めるというもの。「調査費」という名目ですが、ゼネコンから技術提案を公募し、もっとも優れた提案を行ったゼネコンを選定するところまで行います。木造復元に本腰を入れて取り組む初めての予算だと思います。 

しかし、市議会は木造復元にゴーサインを出していません。今年6月17日の経済水道委員会で市民経済局は、「可能な限り早期の木造復元を目指す」という方針を示しましたが、議員から疑問や批判が続出。これを受けて当局は、7月1日の同委員会では、「木造による復元を見据え」つつ、「整備の選択肢を示しながら、市民の意見を聞き、調査結果などを丁寧に説明する」という方針にトーンダウンしたのです。ところが、いったんは引っ込めた「木造復元をめざす」という方針に再び舵を切り、予算まで付ける。これは、議会無視、市民そっちのけではないか。 

本会議の質疑では、こうした手続き論も含めて、天守閣木造復元の問題点をただすつもりです。

2015年9月 4日 (金)

八事天白渓線と山手植田線の交通量調査 市が実施を承諾

本日行われた環境団体と名古屋市との話し合いで、市民団体が廃止を求めている都市計画道路「八事天白渓線」と「山手植田線」について、市は今年度中に交通量調査を実施することを承諾しました。 

八事天白渓線と山手植田線について市住宅都市局は、「整備が困難と判断された場合には、都市計画の廃止やそれに伴う代替措置などを整理する」とし、河村市長は2012年11月議会での私の質問にたいして、「できるだけ早期に結論を出す」と答弁しています。しかし、その後、進展がありません。今日の話し合いで市民団体は「この場で廃止を決断して」と迫りましたが、河村市長は「やめるなら早くやめればいいと思うが…。代替措置は検討しないと」と煮え切りませんでした。

 

八事天白渓線に関しては、道路予定地の天白渓地区への車の入り込みが課題とされていますが、市民団体が今月3日に実施した交通量調査では、7~9時の車の流入が、3年前に市が実施した調査と比べて9.2%減少しています。山手植田線に関しては、東山テニスセンター西交差点の渋滞が課題とされていますが、こちらも市民団体の交通量調査では、3年前と比べて8.2%減少しています。道路計画の廃止に伴う抜本的な代替措置の必要性は乏しくなってきています。名古屋市も交通量調査を実施し、代替措置の必要性も含めて検討すべきです。

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