予算積算方法の議論は敬老パス制度そのものの「見直し」議論
敬老パスの予算案について、健康福祉局が139億円要求したのに、河村市長が5億円を減額した問題で、本日、財政福祉委員会と土木交通委員会の連合審査会が開かれました。連合審査会は名古屋市会で初めてです。
私も途中から傍聴して質疑を聞いていて、河村市長が減額計上した思惑は、「乗車人員×単価」という敬老パス予算の積算方法を変更して、交通局への補助金化することによって、社会福祉施策である敬老パス制度そのものを見直すところにあると受け止めました。「乗車人員×単価」という積算方法は、「高齢者の社会参加を支援し、もって高齢者の福祉の増進を図る」(敬老パス条例)という敬老パス制度の目的を踏まえたものです。ところが、一般会計から交通局への補助金になると、高齢者の敬老パス利用状況を正確に把握する必要がなくなります。「高齢者の社会参加の支援」という敬老パス制度の根本が変質するのではないでしょうか。
河村市長は「高齢者が乗ったら乗っただけ交通局にお金が入ってくると、交通局は経営努力をしない」と言って、敬老パス予算に上限を設ける考えを明らかにしました。これは、「減税」によって税収を減らせば、「行革」が進むという「論理」と同じです。しかし、敬老パス予算=「敬老パスを利用した高齢者の乗車賃分」に上限を設けると、交通局は乗車賃収入に穴が開きます。その穴埋めのために、市バス路線の廃止や本数削減などの「経営努力」を強いられて、市民サービスが低下するでしょう。現に本日の委員会でも河村市長は、維新市議の質問に答えて、「地下鉄の民営化も視野に入ってくる」と答弁しています。
本日の委員会では自民や民主の市議から、5億円を増額する予算修正について市長に誘い水をかける質問もありました。市長はあいまいな答弁をしていましたが、修正されてもされなくても、敬老パスの「見直し」議論に一石を投じるという市長のねらいは果たされたのかもしれません。
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田口先生お疲れ様です。
『維新市議の質問に答えて、「地下鉄の民営化も視野に入ってくる」と答弁しています。』
・・・・・とのことですが?(´・ω・`)↑
民営化するということは・・・、
民営化した地下鉄は敬老パスの制度が適用できなくなるのではないでしょうか?
維新は大阪で地下鉄民営化を政策に掲げておりますので、
その質問をされた維新市議は、我が意を得たりの河村市長の回答に、
さぞや野心をたぎらせたことでしょう。
ちなみに、先般の維新愛知の重徳和彦維新愛知総支部長との、
政策会議あいちゼロの会の最初の実現されるであろう政策は、
私が感じるに、ひょっとすると、
この『敬老パスをゼロにする』政策なのかもしれませんねぇ!(´・ω・`)
投稿: えの | 2014年3月18日 (火) 21時27分