リニア新幹線計画に河村市長も懸念――アセスの市長意見で
「『中央新幹線(東京都・名古屋市間)』計画は、超電導リニア方式を採用することから、走行に伴う消費電力が多く大量の温室効果ガスが排出される」――河村市長が愛知県知事に出した環境影響評価準備書にたいする意見は、こういう書き出しで始まっています。続けて、「磁界による健康影響も懸念」「全線の86%がトンネル構造であり、工事に伴う大量の発生土等、取り組むべき課題が多く残されている」「ターミナル駅の工事は、名古屋駅の東西エリアにおいて開削工法で行うことが計画されており、長期にわたる非常に大規模な工事の実施により、健康で快適な環境が損なわれることが懸念される」・・・。環境アセスですので、環境保全の見地に限られていますが、市民の疑問や不安を反映した意見だと思います。
JR東海は、こうした市民の疑問や不安に応えていません。市長意見でも、アセス準備書の段階では「環境保全措置の内容やその効果も具体的に記載されていない」と批判しています。
さらに市長意見では、環境アセスの手続きの中やJR東海の説明会、市のタウンミーティングなどで、「環境の保全の見地からの意見のみならず、事業の必要性やその意義、採算性、国・自治体や国民の直接的又は間接的な費用負担、大規模災害への備え、営業運転中の事故時の避難方法等に係る意見、疑問等が多数寄せられている」ことも紹介しています。そして、JR東海にたいして、「諸課題への対応方針等を丁寧に説明するなど積極的な情報公開に努める」など、「理解と納得を求めていくことが極めて大切」だと指摘しています。
こうしたアセスの意見が河村市長の本心なら、〝リニアありき〟の姿勢を改めたらどうでしょうか。
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コメント
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真面目な意見
もういらない
南アルプスに穴を開けるべからず。
生活向上の為には経済力とか技術力は勿論大切ですが、モラルはもっと大切です。
日本及日本人に問われているのはモラルであります。
投稿: I love train | 2014年6月 6日 (金) 22時11分