木造復元か耐震改修か――両睨みの名古屋城整備検討調査
本日の市議会経済水道委員会で、私は、来年度予算案に計上されている「名古屋城整備検討調査」(約1800万円)について質しました。この調査は、「天守閣を木造で復元するか、耐震改修を行うか、どちらにするのか決める前提の調査」であり、「木造復元ありきではない」と当局は答えました。
どちらにするのか決めるための調査というのも変な話です。というのも、名古屋市は「特別史跡名古屋城跡全体整備計画」を策定し、天守閣については耐震改修という整備方針が明確に示されています。この計画には木造復元という言葉は一言もありません。ところが、河村市長が「本物の木造復元だ」と言い出し、マニフェストに掲げたために、木造復元についても調査せざるをえなくなったのです。
同委員会で名古屋城総合事務所長は、「現在の天守閣は永久的にもつわけではない。長中期の展望をもって対策を練って、市民に選択肢を示す必要がある」と、木造復元についても調査する必要性を述べていました。なんとも苦しい答弁です。現在の再建された天守閣は、耐用年数があと50年ほどあると言われていますので、数十年先の建て替え時に木造復元の議論があってもいいとは思いますが、当面は、巨大地震に備えて耐震化を急ぐべきです。
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