論点も議論もズレている卸売市場の「事業仕分け」
昨日から明日にかけて名古屋市版の「事業仕分け」が行われています。私は今日、中央卸売市場(本場・北部)の経営管理に関する仕分けを傍聴したのですが、市総務局が示した「論点」も、仕分け人(有識者)の議論も、市民の立場からズレていると思いました。
総務局の「論点」は、「民間活力の導入」。しかし、中央卸売市場では場内清掃業務や警備、消防設備の点検など、すでに民間に委託できる業務は基本的に民間に委託しています。市が行っている業務は、市場における業者の取引に関する法令に定められた業務や、市場施設の使用や修繕など公平性・公正性が求められるものです。
ところが、仕分け人のある学者は、「業者の間の調整に市が関わるのは護送船団方式だ。流通は暗黒大陸だといわれている。なぜ、市が業者の間に入らないといけないのか」――。生鮮食料品の安定供給をすすめる卸売市場法が問題だと言わんばかりの意見が飛び出しました。総務局の「論点」から外れたこんな意見が出ても、コーディネーターは正そうとしない。卸売市場が市民に安全・安心な生鮮食料品を適正な価格で安定的に供給する役割をどう果たしていくのかという前提がすっかり抜け落ちた議論を2時間余も聞いていて、腹が立ってきました。
市民判定員の判定結果は「見直し」でしたが、市は無理に委託化を拡大しなくていいですよ。
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