私鉄の高架下、園庭のないビルが保育園――営利企業参入の横浜市
横浜市で、線路高架下の保育園を見てきました。園児の上を京急電鉄が走り、橋脚と金網で囲まれた園庭……。振動と騒音で住みたくないようなところで、子どもたちが生活する。保育の環境としてはきわめて劣悪ではないでしょうか(写真左)。京急電鉄は、横浜市内で他にも高架下の保育所をつくっているそうです。
園庭のない業務ビルの保育園も見てきました。JPホールディングス(日本保育サービス株式会社)の「アスク馬車道保育園」。右の写真は、後付の非常階段側から撮ったもの。この保育園では、散歩先の「赤レンガ倉庫」広場に一歳児を置き去りにしてしまい、園に帰って来てから気付いたという事件があったと、ジャーナリストの猪熊弘子さんが話してくれました。
同じくJPホールディングスの「アスク藤が丘保育園」では、「短期間のうちに園長以下すべての常勤職員が退職または系列園へ異動し、保護者から不安の声が上がっていた」と監査で指摘されていたことを、共産党横浜市議団の古谷やすひこ議員が報告してくれました。横浜市の保育園は4分の1が営利企業の経営です。営利企業の園は、人件費が低く抑えられ、横浜市議団によると保育士の平均年収が200万円という園もあるそうです。低賃金で、すぐにやめていく――まるでブラック企業だ。
安倍首相は、待機児童解消へ営利企業の参入を推し進めた「横浜方式」を「全国に広げていく」と表明していますが、横浜市の待機児童「ゼロ」の裏には、保育の質を低下させる保育の市場化の危険があることが、今日の横浜保育ウォッチングで目の当たりにしました。
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