名古屋市土地開発公社の保有土地627億円 10年間で買戻せるのは半分!?
本日の市議会公社対策特別委員会では、財政局から名古屋市土地開発公社の保有土地の「買戻し計画」が示されました。同公社の保有土地の総額は627億6600万円(2011年度末見込み)にのぼっています。「買戻し計画」は、10年度以内に事業局に買戻してもらう方針ですが、「買戻し計画」に載せることができたのは326億円余、保有土地の半分程度です。
10年間の「買戻し計画」に入らなかった最大の事業が、市民経済局が所管する「なごやサイエンスパーク事業」です。サイエンスパーク事業用地のうち、Bゾーンと呼ばれる大学などを誘致するために先行取得した土地(積上価額は211億9100万円)については、「事業内容や買戻し財源などについて、検討中のため」という理由で「買戻し計画」には含めず、「5年以内に結論を出し、その時点で計画に追加する」としています。
土地開発公社が、サイエンスパーク・Bゾーン用地を先行取得したのは1989~94年度。バブル経済が崩壊した直後に大量に取得しています。当時の取得価額は約136億円でしたが、現在の時価は約68億円(推計)と半分に下落しています。市民経済局が211億円余で買い戻し、売りに出しても143億円程度は持ち出しになります。しかも、市民経済局が2006年度から負担している利息分が約19億円にのぼっており、「買戻しが遅れると市の負担が増えます」(財政局)。
私が同特別委員会で、「土地開発公社が先行取得した公共用地というのは、事業目的も必要性も明確なはずだから、サイエンスパーク・Bゾーン用地の『事業内容を検討中』という買戻し計画に載せない理由は成り立たない」と質したら、財政局は「大学などの誘致が決まらず、方針の転換も含めて検討する」と答弁。方針を転換しなければならないような土地を先行取得したことが問題です。私は、「バブル崩壊後の90年代前半、国の経済対策に誘導されて地方自治体が大量の土地を取得した。その中には、サイエンスパーク事業用地のように、事業の用途や事業化の時期が不明確なまま取得した土地があったのではないか」と追及。財政局は、「事業化が遅れた」ことは認めましたが、当時の土地取得のあり方の問題を認めませんでした。
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