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2012年2月13日 (月)

大企業・富裕層応援、庶民への負担増と公的福祉解体の河村「減税」予算案

来年度の名古屋市予算案が発表されました。市民税5%減税の実施を前提にした予算案です。この「減税」で恩恵を受けるのは、大企業(最高で1億円減税)や富裕層(最高で500万円減税)です。一方、庶民には、介護保険料の1.3倍もの値上げなどの負担増や、守山市民病院の廃止・民間売却など公的福祉の解体が押し付けられます。

介護保険料(65歳以上)は、基準額が年間49,785円から65,282円へと15,497円も値上げされます。後期高齢者医療の保険料も一人あたり平均4,439円の値上げが決まっており、年金が減らされる一方の高齢者に、75歳以上では合わせて平均2万円もの負担増がのしかかります。「減税」の財源づくりのために、学童保育所への助成金の緩和措置の縮減や民間保育所への給食費(牛乳・おやつ)補給金の廃止など、子育て予算にも切り込んでいることは問題です。

 「区役所の民営化」まで唱える河村市長のもとで、予算案では守山市民病院の廃止・民間売却のほか、緑市民病院の指定管理者開始、志段味図書館への指定管理者の導入、保育所への営利企業の参入解禁など、民間委託・民営化が推進されます。これに拍車をかけるために、「民間活力の導入に関する調査費」が新たに計上されました。「福祉の増進」という地方自治体の役割を放棄し、行政を「営利企業化」する動きが進むことは重大です。

 昨年秋の「事業仕分け」判定結果をテコにした市民サービスの削減にも踏み出します。来年度予算案ではまず、子育て支援手当(第3子以降の3歳未満児に月額1万円支給)や生活衛生センターの展示室「ムーシアム」が廃止されます。来年度は、休養温泉ホーム松ヶ島と高年大学鯱城学園については「存廃」を含めて検討し、女性会館と男女平等参画推進センターについては「統合」も含めた検討を行い、野外学習センターのあり方や生涯学習センターへの指定管理者の一部導入についても検討し、いずれも「来年度中に方針を決定」するとしています。敬老パスについては、見直しの検討を進め、「2014年度からの反映」をめざすとしています。「金持ち減税」が恒久実施されるなら、福祉・市民サービスに大ナタが振るわれることは、火を見るよりも明らかです。

 大企業応援は「減税」だけにとどまりません。大企業の国際競争力強化の巨大インフラ整備を主眼とする「中京都」構想を進めるとともに、予算案には、リニア中央新幹線の開業を見据えたまちづくりの推進、財界の意向に沿った名古屋大都市圏戦略の検討調査、「特区」指定を受けての航空宇宙産業国際拠点化支援事業などが盛り込まれています。また、名古屋城天守閣の木造復元に向けた調査費が計上されていますが、市民生活への支援が必要なときであり、急ぐべきではありません。

 予算案には、小・中学校の普通教室の冷房化、住宅用太陽光パネル設置の補助件数の拡大、民間木造住宅の耐震改修助成の拡充などが盛り込まれており、わが党市議団や市民の要望も若干は反映されています。

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