河村市長の地域委員会=「市民市役所」論
1月10日に予定されている名古屋市議会総務環境委員会で、地域委員会制度の骨子案が示されます。一部の新聞では、骨子案の概要や「来年度に全区で試行実施」と報道されました。骨子案の内容については同委員会での議論の後にお伝えしますが、河村市長の「地域委員会」構想の根本的な問題点について述べておきたいと思います。
地域委員会とは、住民参加・住民公開で地域の課題解決について話し合い、そのために市の予算の使い道を提案するという新しい住民自治の仕組みです。これは、住民の関わり方と活用次第では、地域の自治力の発展や地域コミュニティの活性化に役立つと考えます。
しかし、河村市長が、地域委員会を「小さな政府」づくり=「構造改革」の受け皿にしようとしているところが最大の問題です。河村市長は最近、「市民市役所」論を唱え、地域委員会を「市民市役所」になぞらえるようになりました。「市民市役所」とは、「市民税減税で市民の手元に戻った減税分の一部を寄付に回してもらい、その使い道を市民にゆだね、児童虐待や高齢者の孤立死、いじめ、不登校などにとりくんでもらう」というものです。今年の仕事始めの市長あいさつでも吹聴していました。
市民税「5%」減税で税収を110億円減らして福祉・暮らしの予算を削り、市の責任で行なうべき福祉・子育てなどの事業は地域委員会=「市民市役所」に委ねる。その財源は市民の寄付で賄ってもらう。「伝統的」な市役所は名古屋城天守閣の木造再建など大型事業を担当する――これが河村市長の描く地域委員会=「市民市役所」のようです。市の行政責任を地域住民に転嫁し、地方自治体の役割を放棄する考え方にほかなりません。
この「市民市役所」論については、市総務局の副局長も「理解が一致していない」と、昨年10月の総務環境委員会で私に答弁したように、市の幹部職員も受け入れがたいようです。地域委員会制度が、真に住民自治の発展に役立つものとなるのか、それとも行政責任を住民に転嫁する「構造改革」の受け皿にされるのか。市民のみなさんといっしょに議論を深めたいと思います。
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