郡上市石徹白の小水力発電を視察
ちょっと前の話ですが、10月22日に東海自治体問題研究所が募ったエコツアーに参加し、岐阜県郡上市白鳥町石徹白(いとしろ)の小水力発電を視察しました。
石徹白は、岐阜県と福井県の県境に位置し、国道から標高950mの峠とスキー場を越えた最奥にある集落です。昭和30年代には1200人を数えた人口が、現在では300人を切っているそうです。地区内唯一の石徹白小学校は、全校児童が12人と存亡の危機にあり、「30年後も石徹白小学校を残そう」を合言葉に、様々な地域づくり活動が取り組まれています。その一つが、小水力発電だそうです。
私たちを小水力発電に案内してくれたのは、「NPO法人やすらぎの里いとしろ」理事 長の久保田政則さんでした。最初に見学したのは、農業用水路に設置された「らせん型水車」。関市の橋梁メーカーが開発したものですが、電気制御は、電気関係の仕事に携わっていた久保田理事長による手作りです。「部品はインターネットで購入した」と話してくれました。
次に見学したのは、今年の3月に設置された上掛け水車です。発電した電気は、隣接する農産物加工所に送られます。加工所の電気代の負担を下げることと同時に、特産品開発を行い、加工所を稼働させるという地域おこしと一体にとりくまれています。
ここの小水力発電は、日常的な管理を地元の人たちが行っており、水車が地域住民に近い存在になっています。また、「昨年は水車の視察に約500人訪れた」(久保田理事長)とのことであり、石徹白の知名度を上げることにも貢献しているようです。
石徹白の「らせん型水車」は、流量が多い水路で、落差が50㎝以上あれば導入できるそうです。しかし、問題は河川の水利権。幸いにも、石徹白の水車が設置された農業用水路は、普通河川から取水しており、新規に水利権を取得する必要はなかったそうです。名古屋市内で小水力発電を導入するには、水利権がネックとなります。設置可能な水路はどこか、設置・管理する主体をどうするかが課題だと思いました。
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