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2011年12月29日 (木)

「中京都」構想を考える

 橋下大阪市長の「大阪都」構想にあやかって、大村秀章愛知県知事と河村たかし名古屋市長が共同マニフェストでぶち上げた「中京都」構想。これっていったい何なのか。私は次のように考えています。

 「中京都」構想のキーワードは、「世界と闘える愛知・名古屋」です。大村県知事がマニフェストの中で、「国際的な競争に打ち勝つようグローバル企業を誘致・育成」すると述べているように、「世界と闘える愛知・名古屋」の実現とは、愛知・名古屋圏域の大企業の国際競争力を強化することにほかなりません。愛知県は来年度の国家要望のなかで、「世界と闘える愛知・名古屋(中京都)づくりの推進」と銘打って、リニア中央新幹線の早期整備、名古屋港の機能拡充、中部国際空港の二本目滑走路の早期整備などを要望しています。「中京都」構想の狙いは、大企業の国際競争力の強化のために、巨大インフラ整備に集中投資する体制づくりであり、従来からの大型開発事業を新たな装いで推進するところにあると思います。

 「中京都」構想はまた、財界の要求にこたえた道州制の先取りでもあります。

  こうした「中京都」構想を推進するための司令塔である中京独立戦略本部は、本部員の半数をトヨタ自動車やJR東海など大企業の取締役が占めており、河村市長の言葉を借りれば「名古屋・愛知株式会社の取締役会」です。「中京都」構想は、陣立てからも大企業・財界の利益のためのものといえます。

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